42話
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やはり大事な話があったらしい。
「泰人・・・体・・大丈夫?」
「・・・特に怪我も無かったから大丈夫だよ」
と言うと、ズイッと目の前まで来て
「嘘・・・」
と左肩に少し力をかけられる。と鋭い痛みが走ったがなんとか表に出さずに済んだのに簪の顔はますます寂しい表情になった。
「・・・ほらなんともないだろ?」
「・・・・・」
「・・・ほんとは痛かったです。ハイ」
寂しい表情から諦めともとれるような表情になりつつ嫌味を言われる。
「・・まったく、泰人は人に心配かけてばっかだね」
「うぐ・・」
正直迷惑はかけてないが心配はさせまくりなので普段はそうしないようにしてきたのだが。
「・・・泰人」
「・・・はい」
「これは独り善がりなのかも知れないけど、私はあなたの本当の表情(かお)をみたい」
「・・・少なくとも気は許してるんだがな」
「違うの。安心させようとする表情だけじゃ駄目なの」
そう言われて微妙な空気に包まれていると、
「入るわよー?ってあれ?簪ちゃんもいるなんて。もしかして・・・」
と意気揚々に楯無さんが現れて変な空気も流れる。
「違う・・・少し、お話してた」
「そうなの?」
「うん。じゃあ私は用があるから」
と簪が席を立って出て行く。
「・・・泰人くん」
「はい?」
「もしかして、告られた?」
「・・・ぶふっ」
「あ、今笑ったでしょ」
「すみません・・ククッ」
まさかそんなことを言われるなんて思いもしなかったので笑ってしまった。
「・・・本当に?」
「ええ?本当に。てか心配かけてばっかだね、とか言われましたよ」
「・・・簪ちゃんの言う通りね。本当に」
「え!そんなに心配かけまくってます??」
「ええ。そりゃあもう」
マジか〜と言う泰人を楯無はニコニコと眺めながら今日も雑談をしつつ過ごしたのだった。
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