暁 〜小説投稿サイト〜
無理が通って道理も通す
間違いはここから
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悩んでいるところである。

1缶、60円とかなんだよ?
自販機の1/2。
びっくりでしょ?

さて、そんなこんなでお昼休みが終われば午後の仕事開始。
午前中は会議で終わったらその間の分もまとめてやらなければいけない。

といっても、めちゃくちゃ量があるわけじゃない。
ほんの少し効率よく回していけばいつも通りの時間に終わる。
仕事の内容はどこにでもあるような事務的な作業。

会議に使う資料のコピー、足りなくなった備品の手配、実際にプリントアウトして資料として使えるか、資料に間違ったところはないかの最終確認など、誰にでもできそうな作業だ。

こんなことでお給料がもらえるなんてホントに自分は恵まれてるなぁと実感する。

自分が働いているこの会社は最近、世間でよくいわれるブラック企業とは全く逆の会社である。

オフィスの中では、たまに笑い声が聞こえてきたり、仕事が早く終われば上司と部下で仲良く呑みにいったり、呑気な言い方だがのほほんとしている感じである。

もちろん、仕事はキッチリこなしている。
上司がいわゆる「できる人」で部下がそれを見ているから同じように育っていくのでは。と思っている。

そんなことを考えながら、来週使う資料のコピーを何十部が印刷したあと、次は備品の発注と今日使った会議室の片付けを行ったあと、手元の時計をみる。

16:53

あと7分で定時だ。
どうしよう。微妙な時間だな。
今から何かするのは、中途半端過ぎるし、かといって残業するのは課長が極端に嫌がるからなぁ……

前に残業申請した人がいたのだが、めちゃくちゃ嫌そうな顔でしぶしぶ納得していた感じだった。
多分行きつけの飲み屋の席を確保できないからだな……
残業申請すると課長は必然的に居残りだし。

その時のことを思い出しながら、自分のデスクに戻ると書きおきが貼られていた。

そこにはやけに力強い字で「お仕事お疲れさん。午前中は立ちっぱなしで疲れたでしょ?今日は定時で上がったことにして帰っていいよ」
と書いてあった。

おそらく、課長の書き置きだ。
なんて心配りができる人なんだろう。
年が離れていなければ惚れてしまいそうだ。

いや、惚れてはいけない理由があるんだが……

まぁそれはいい。
せっかくのご好意だ。
遠慮せず甘えることにしよう。

ということでカバンを整理して帰り支度を始める。
帰り際、同じ部の何名かの男性社員とすれ違った。

そして「今日も可愛かったね」なんて声をかけられる。

「あはは……」
引きつった笑みを浮かべながら、足早にその場を立ち去る。
はぁ…
可愛いって何回も言われるけど、相変わらず嬉しくない言葉だ……

会社から自宅まで徒歩15分。

自転車
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