継承
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聞いてしばらく悩んだディアーチェちゃんは、他の子達の意見も聞いてから結論を決めた。その結果、暗黒剣はムーンライト同様に月村家が保有し、ディアーチェちゃん達のいる組織は単独次元移動システムを搭載した乗り物をいくつも開発した。お互いに満足のいく取引となった訳だ。
「でも太陽銃のレプリカまでもらえたのは予想外だったかな……」
アメリカのDARPAで開発された、太陽銃ナイト。太陽仔が用いる、闇を浄化するための銃……の模倣品。仕組みは太陽結晶の欠片を動力核にする事で、天に掲げると太陽チャージが出来るように作られている。
開発出来ただけで十分凄いと思うけどディアーチェちゃん曰く、これは太陽光をエネルギーとしたスタン弾しか撃てず、エナジーを込めると色が白から黄色に変化してソル属性が発現する性質はあるけど、まだまだ弱すぎてアンデッドには効果が無いみたい。そしてこのレプリカは予備という事もあって、オリジナルより性能ははるかに低く、今のままでは引き金を引いても小さい弾しか出ないが、人間相手の自衛なら十分らしい。
実はディアーチェちゃん達は最初にこれを渡すために私達と接触したのであって、ファーヴニルとの決戦前、サバタさんから太陽銃ができたら私に渡すように言っていたらしい。彼の意図を察するに「護身用の武器として持っていろ」という事だろう。最後まで気遣ってくれた彼の想いを受け、私は彼に届くように感謝の祈りを贈った。
……でもさ、いっそこれ改造しちゃってもいいよね? というか白状するけど、もう改造しろって私の亡霊がずっとささやいてるよ。あと、ついでにバリエーションを増やしても良いと思うんだ。例えば敵に追尾してくれるミサイルとか、二丁拳銃でサブマシンガンみたいに連射とか、火炎放射みたくスプレッドを放つとか、暗黒銃のように放射状にグレネードを撃ち込むとかね。
無いなら自分で作ればいい。工学系を希望していると根底にそういう理念があるから、エネルギー関連の方はDARPAに任せるとして、私は今言った太陽銃のバリエーションを増やす開発をしていこうと思う。
最近は出番が無いせいで忘れられてるかもしれないけど、私も月下美人だからエナジーは使えるんだよ? つまりこの太陽銃がまともに使えるようになれば、私だってなのはちゃん達に負けない戦力にはなれる。まぁ、だからと言って……自ら進んで戦いたいわけじゃない。正直、ヴァナルガンドの件で戦いに巻き込まれるのはもうこりごりだと思ってるもの。
「すずか、またバイクのメンテナンスでもやってたの? あんたも好きねぇ」
いつの間にか遊びに来ていたアリサちゃんが、庭のバイクの傍で休憩していた私に声をかけてきた。
「性分なのかな? 機械をいじるのって結構楽しいんだ、アリサちゃん。それにこのバイクは預かりものだか
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