継承
[9/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
くしかない。違法研究などで生み出される存在がいる限り、管理局の方でもこの問題が無くなる事は無いだろう。
「はぐはぐ♪ 焼き鳥うめ〜! ……んむ?」
「……ふむ? ベルカの融合騎?」
一方で焼き鳥を大量に頬張っていたアギトと酒瓶を手にどこかで座って飲もうかと散策していたゼストがばったり出会い、すぐに意気投合したのだが……それは別の話。
【預かりもの】
〜〜Side of すずか〜〜
「うん、こんな感じかな」
“ムーンライト”のメンテナンスを終えて、私は服の袖で汗を拭った。実は一年前、サバタさんから分解さえしないのであれば、解析したり使っても構わないと言われているので、敷地内でならほんのちょっとだけ乗ってもいる。と言ってもあくまで調子を確かめるための試運転に抑えてるから、お姉ちゃんやノエル、ファリンは見守るだけに留めてくれている。もし本格的に乗るとしたら16歳になって免許を取ってからにするつもりだけど……よく考えてみればサバタさんは思いっきり無視してたね。
ともあれ、このバイクはあれからずっと私が預かったままで、本来の持ち主がいなくなってからずっと寂しげな雰囲気を漂わせていた。だけど今は少し安らかになっている。それはこの家に暗黒剣が安置されているおかげだろう。
なぜあるのかというと、私は一年前、はやてちゃんそっくりの顔立ちをしていたディアーチェちゃんに、サバタさんの暗黒剣を譲ってもらうようお願いしたのだ。ただ、彼女達にとっても暗黒剣はサバタさんとの思い出が刻まれてるすごく大切な物だから、当然ながら最初は首を縦に振ってくれなかった。
ならばと交換条件として、私がムーンライトを解析したデータを基にお姉ちゃんが構築した“次元移動システム”を提供すると伝えた。次元世界に君臨する管理局ですら持っていない技術を出された事で、彼女達もしばらく悩んでいたんだけど、その時はまだ居たマキナちゃんがこう言ったんだ。
『王様達が暗黒剣を手放したくない気持ちはよくわかる。サバタ様の形見の品とも言える剣だもの。でもさ、サバタ様と共にずっと戦い通しだったんだから、この剣もそろそろ静かな場所で眠らせてあげた方が良いと思うんだ。これ以上、戦いに巻き込まれない内に……ね』
彼女の言葉に、私は深く同意した。暗黒剣はサバタさんの形見であり、同時にカーミラさんの贈り物でもある。ヴァナルガンドの力を宿しているとはいえ、あの二人の想いが深く宿っている剣……正直に言って、どこの誰とも知らない人達や管理局の手が届きそうな場所にあると、やはりどうしても不安になる。別に彼女達が信頼できない訳じゃないし、この感情はただの独占欲だったのかもしれないけど、誰にも奪われないように守れる場所に置いておきたかった。
という事でマキナちゃんの意見を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ