継承
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も兼ねてバーベキューパーティを行うと事前に伝えたではないか。マザーベースの方で糧食班が準備を進めているから、その匂いがここまで漂ってきたのだろう」
「何をしてるの皆! 早くご飯を食べに行きましょう!!」
『飯だ、よっしゃぁああああああっっ!!』
「節度を守れる範囲なら酒も許す。皆も存分に楽しめ」
『王様マジさいこぉおおおおおおっっ!!』
管理局員とPMCの者達の喜びの咆哮がマウクラン中に響き渡り、さっきまで倒れてた連中も怒涛の勢いでマザーベースへ走っていった。何気にその中にレヴィの姿もあった。こういう光景を見ると、人間の原動力に美味い食事は欠かせないとつくづく実感する。
「では、我らも戻ろうぞ」
「フッ……わかった。部下達も腹を空かせて待っているからな」
というわけで我とゼストも、頼れる仲間たちの下へと向かうのだった……。
「姉御! これなんて食べ物なんだ!? すっげー美味いぞ!」
「それは焼きそばって言う、一般的な家庭料理の一つだよ」
「じゃあこれは!?」
「シイタケのバターソテー。シンプルな味付けと香ばしい匂いが食欲をそそるよ」
「じゃあじゃあこれは!? あれとかそれとか……ああもう何でもいいや! ちょっと取りに行ってくる!」
親睦会の中を適当に食べ歩いていると、我は色んな料理を堪能しているアギトと局員が大勢いるのに会場に来ていたマキナを見つけた。アギトはまだわかるが、マキナがここに混ざっていた事には、我でも結構驚いた。
「あ、王様」
「おいマキナ、気分とか大丈夫なのか?」
「一応平気と言っておいた方が、王様も安心する?」
「質問に質問で返すな。で、どうなのだ?」
「まぁ……かろうじて大丈夫って感じ」
「そうか。一度根付いた苦手意識は、そう簡単に拭い去れるものでもないからな」
「克服はしようと思ってるけど、対人経験がほとんどないから難しいね」
深くため息をつくマキナに、我はおのずと彼女の背中をさする。子供のまま大人にされたような精神、大人なのに子供の感覚が残る身体。11年の歳月を実験体として過ごしてきた事で、実質5年しか対人経験を積んでいない影響はこういう所で色濃く現出してしまう。再会時のちょっかいはマキナの素とも言える子供の部分だからこそ、我らはそこを大事に見守っていきたい。彼女は精神的にも、まだ不安定な部分が多いのだから……。
なお、マザーベースにも救出されたクローンや実験体だった者がいるが、彼らも普通の人間なら自然と経験しているはずの事を経験していないため、感覚の誤差が現れる事が多い。なのでユーリがマザーベース内の精神カウセリングを行っているのだが、こういう問題はやはりどうしても時間をかけてい
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