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リリなのinボクらの太陽サーガ
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ったか?」

「局員は潜入自体不慣れだから致し方あるまい。しかし俺も新鮮な気持ちで楽しめた。久しぶりに充実した訓練で、皆も喜んでいる」

「そう言ってくれると、こちらも用意した甲斐がある」

「今後はこういった趣向の訓練も視野に入れていこうと思う。少数での潜入が出来るようになれば、違法研究所に大勢で突撃して奥にたどり着いた時には実験体や被害者が手遅れになってしまう事を防げるようになるし、人質を取られてこう着状態になった場合の対処法も増える。今まで管理局に無かった新しい方向性をこの訓練から学べた。また合同訓練を行ってくれるなら、今度は攻守を逆にしてみるのも面白いだろう」

「同感だ。それで助けられた新しい仲間もいるしな。それに魔導師は主にバリアジャケットで防御力を補っている故、纏う前に不意打ちされるとめっぽう弱い。だからこそ隠れ潜む相手にとことん気をつけなくてはならないのだ」

「ああ。実際、こういうステルスミッションは警戒心の強い人間か、戦況を把握できる人間の方が上手らしい」

徐に頬を吊り上げたゼストは、休憩所で疲れ切って倒れている一人の局員を見る。今回の訓練で最も奥まで潜入できたのは……実はティーダ・ランスターだったのだ。他の者が最深部まであと半分という所で脱落しているのに対し、戦況の認識力が特に卓越している彼は本当に最深部に通じる扉の一歩手前までたどり着けていた。彼が本格的にCQCを身に付けていたら、本当にスイッチを押して勝利していたかもしれない。正直に言って、地上本部の局員の中では一番敵対したくない相手だ。

ちなみにクイントは最初はちゃんとステルスしてたものの、途中で我慢できなくなって敵陣に突撃し、見事に返り討ちにされていた。ゼストは体躯が大柄なので隠れる場所があまり無く、常に漂う武人の気配のせいで隠れててもバレるという始末。要するに潜入任務に全く向いていないタイプだった。

「ゼスト、差し出がましいが不意打ちには気を付けるのだぞ。例えば後ろからいきなりナイフが飛んでくるとか、爆発物に気付かず巻き込まれる可能性を常に意識しておいてくれ」

「それは今回の訓練で身に染みて理解した。重々注意しておこう」

「あらら、これでうちの隊長から更に隙が無くなったわ。この調子じゃ、いつか次元世界最強の称号も得られるんじゃないかしら……?」

戦々恐々としているクイントはともかく、確かにゼストはあのファーヴニルの腕の薙ぎ払いを力づくで押し返した事があるから、今でも十分化け物じみた強さを持っているだろう。ただ……言わせてもらえるならマザーベース最強はユーリだし、生きていれば教主殿がその上を行っているから、次元世界最強を名乗るにはまだまだ早いと思う。

「……あれ? なんかいい匂いがしない?」

「訓練終了後は親睦会
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