継承
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そうね。……なんて思ってると、また王様から通信が入った。
『ヘリ発着場に増援!? どこに隠れていた……ヘリは一時上空に退避させる。ギアーズ、奴らを殲滅するのだ! 脅威対象をヘリから照らす。そいつの排除を優先してくれ!』
ヘリ発着場って……アミタ、まさか囲まれてたりしないわよね?
そう考えたら自分でも驚くほどの焦燥感を抱いた私は、基地内を駆け抜けてヘリ発着場に急ぐ。視界の向こうでは、大量のスナッチャー相手にアミタが必死に光弾を放っているのが見える。一人であの数を相手にするのは、アミタでも無理だ。
「お姉ちゃん!!」
「キリエ!?」
思わずそう呼んでしまった私はそのまま敵陣に殴り込み、鮮やかに蹴散らしていく。銃撃と斬撃を交互に組み合わせて、演舞でも踊るかのようにスナッチャーを次々と倒し、奴らがアミタに張った包囲網を崩壊させる。それに鼓舞されたアミタも反撃を開始……一度分かれた私達フローリアン姉妹が再び背中を預け合った事で、その力は倍化して一気に敵の数が減っていき、いつしか増援も全て倒しきる事が出来ていた。
『反応なし、殲滅を確認!』
「ハラショー。キリエ、アミタ、お疲れさまでした」
想定以上に激しかった戦いを乗り切り、疲れて座り込んだ私とアミタにヘリから降りてきたシュテルがねぎらいの声をかけてくる。互いの背中を支えに休んでいる私とアミタの姿を見て、何を思ったのかシュテルが微笑を浮かべた。
「どうやらさり気なく姉妹の仲も元通りになったようですね」
「はい! アイ・アム・お姉ちゃんですから、愛する妹との喧嘩なんて絶対に長続きさせません!」
「はぁ〜……お姉ちゃんはホントどこでも元気ねぇ〜。傍にいると暑っ苦しくてしょうがないわ〜」
「そこが彼女の魅力ですよ。それより任務完了なので、要望通り太陽結晶をお渡ししましょう」
という事でシュテルはDARPAから返してもらった太陽結晶を、私に手渡してくれた。黄色い光を放つ結晶を眺めていると、磨き上げられた表面に鏡みたく私とアミタの顔が映る。この温かい光を宿した結晶には、使い方次第で世界を再生できる力が込められている。本当ならユーリ達に来てもらいたかったけど……考えてみればこれが最も穏便な解決なんだろう。
そもそもエルトリアの死蝕は、本来は私達だけでどうにかしなければならない問題だった。それを他の世界、他の時代で生きている者を無理矢理連れて来て、自分達の世界のために戦ってくれだなんて、あまりに虫が良すぎる。盗人猛々しい、とはきっとこういう事よね。だから私達に問題を解決できるアイテムを渡してくれるだけでも、十分彼女達は力を貸してくれている事になる。これ以上を求めるのは無礼千万、失礼極まりないわ。……実際に襲撃かました私が言える事じゃないかもだけ
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