継承
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エ。せっかくの機会なんですから……」
「わざわざ言わなくても、あの牢獄で頭は十分に冷やされてるわよ……。うぅ、思い出しただけで寒気が走る……」
「あのキリエが怯える程だなんて、一体何をされたんですか!?」
「…………くすぐり」
「はい?」
「足の裏とかわきの下とか首筋とか、とにかく敏感な所を執拗にくすぐられたのよ……」
「び、敏感……!?」
笑い過ぎて息が出来ないのにそれでもくすぐり続けられて、一旦わざと止めて呼吸を整えようとした所を狙ってまたくすぐられて……。拷問ってああいうのを表すのね、身を以って実感したわ……。
「ま、ままままま、まさかハレンチな事にはなってませんよね!? 愛する妹が大人の階段昇ってないか、お姉ちゃん心配でたまりません!」
「ちょっ、アミタ!? いきなり何てこと口走ってんの!?」
「あぁ、どうしてあの時の私はキリエを止められなかったんですか!? そのせいでキリエが……キリエがぁぁあああああ!!!!???」
「だ、大丈夫だから! 変な事はされてないから、そんな大声出さないでよ!?」
頭抱えて叫ぶアミタをなだめようとしていると、唐突に別の方から声が聞こえてきた。
「敵だ! 誰か来てくれ!!」
「ほらアミタが大声出すから見つかったじゃない! もうちゃっちゃと片付け――――」
「ほあたぁあああああああ!!!!!!」
「な、なんだこいつ―――――ぐばぁっ!!?」
あ、あ〜らら……ど〜しましょ。
まず、ありのまま今起こった事を話すわ。敵に見つかって応援を呼ばれたら、なんかアレな妄想して頭から蒸気が出たアミタが爆走して、やって来た敵を片っ端から体当たりで吹っ飛ばして、私が何もしてない内に全部の敵を無力化していた。スナッチャーの識別とか、隠密行動とか、そんなのは断じてやってない。単純かつ豪快、そして台無しな結果に終わってしまった……。
「ま、放っておけば勝手に帰ってくるでしょ。私が後始末やっとけば、任務はもう終わるんだしね〜」
という事で色んな苦労とか戦いとかを想定していたのに、こんな簡単に終わってしまった事で拍子抜けした気持ちのまま、私はスナッチャーだけをザッパーで斬っていく。絶命したスナッチャーは緑色の炎を上げて消滅していくんだけど……血液とか白いし、なんか気持ち悪い顔してるから正直見たくないのよね……。
やがて全てのスナッチャーを始末した事で、王様から通信が入る。
『流石だな、ギアーズ。スナッチャーの殲滅、及び生存者の無力化を確認。奴らの調査は後回しだ、まずは離脱しよう。回収のため、ヘリを向かわせる。ヘリ発着場で待機してくれ』
ヘリ発着場ならアミタが向かった方角にあったはず。追い掛けるついでに、そのまま帰れ
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