暁 〜小説投稿サイト〜
リリなのinボクらの太陽サーガ
継承
[14/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
“何者か”は現地に上陸したらしい。本局の見解は、我々が送り込んだ諜報員の意見とも一致した。どうやら基地は、この正体不明の侵略者に乗っ取られたようだ。人間を襲い、人間にすり替わる知性体……そう、つまりは“スナッチャー”だ。そこで改めて依頼された任務は……そのスナッチャー達の殲滅だ。わかっている、シュテル。いくらそなたが強いと言っても、そんな奴らが相手では……。そこで切り札を派遣することにした。次元世界とも世紀末世界とも異なる……そう“別の世界”から……遥か彼方から来た……中身は機械で出来ている可憐な戦士達だ。敵に奪われる(スナッチ)肉体ではない……。報酬には教主殿が手に入れた太陽結晶を要求している。システムU-Dことユーリを渡す訳にはいかぬのでな。代用品という事で承諾してもらった』

そう、本当なら私はシステムU-Dをエルトリアのために持ち帰るつもりだった。だけどこっちに来て、システムU-Dが人格を持ち、ましてや一組織の重役という立場まで得ているとなれば、流石に断念せざるを得ない。オーパーツで時間を渡るのはまだ大丈夫だけど、渡った先で何かを持ち帰るのは時空の歪みを発生させて未来に帰れなくなる危険を招くし、その何かの存在が大きければ大きい程、危険もそれに応じて肥大化する。

簡単に言えば、帰れなきゃ元も子も無いのよ。だから代わりの物を探した所、太陽結晶という膨大な生命力がこもった物質があれば、ユーリが来る場合と比べて効率は下がるもののエルトリアの死蝕が浄化できると判明したので、報酬として要求したの。

……最初に力づくでユーリを手に入れようと襲って見事にコテンパンにされて捕まったのに、なんかウイルスを気合いで克服していた姉のアミティエ・フローリアンが何度も何度も頭下げてくれたおかげで保釈してもらい、挙句の果てにこの任務をこなせば報酬として太陽結晶を渡してくれるという温情まで与えてくれた王様には、ホント頭が上がらない。

まあそんな訳で私とアミタが送られたんだけど、念のためにシュテルは私達の監視という役目も担っている……。ここまでしてくれたのに約束を反故にする気はないから、別に気にしてないけどね。

さて……基地上空でホバリングするヘリから飛び降りた私とアミタは、ゆっくり地面に着地して返してもらったヴァリアント・ザッパーを構えた。

『いいか。この基地の中で、スナッチャーは管理局員になりすましている。もう既に生存者はいないかもしれないが……第3管理世界管理局基地、収容施設内を占領したスナッチャーを全て排除してくれ。これは全人類の危機なのだ。頼んだぞ、ギアーズ!』

通信切断。巻き込まれない内に戦域からヘリが離れていき、私は早く任務を済ませて太陽結晶をもらおうと意気込む。そんな私にアミタが声をかけてきた。

「焦りは禁物ですよ、キリ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ