継承
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ありがとう、アリサちゃん。ちょっと名残惜しいけど、ムーンライトもしまっておくよ」
そういう事でアリサちゃんにはリビングで待っててもらい、私はムーンライトを月村家の地下に移した。私達の財産も入っている金庫の中、ここなら誰かに奪われる心配はまず無い。過信は禁物だけど……ほころびが生じない様に私が気を付けていればいい。
厳重にロックをかけて戻って来た私は、アリサちゃんと二人だけのお茶会を始める。以前ならここにもう一人いたんだけど……彼女は私達の手の届かない場所で今も飛んでいるのだろう。
「そうね。なのはも最近全然帰ってこないし……管理局の仕事が忙しいのはわかるけど、また天井に頭突っ込みたいのかしら?」
「あはは……あれは驚いたよね。まさか椅子にロケットが仕掛けられていたなんて……」
「下手人が誰なのか、未だに判明していないのが腹立つけどね」
でもあれ以降フェイトちゃん達は少し懲りたのか、授業にはある程度まともに出席している。問題はなのはちゃんだ。フェイトちゃん達と同じ日に出席しているものの、過剰に仕事しているせいで疲れ切っているのか、会う度に眠そうにしているし、授業中はたまに机に突っ伏して本当に寝ちゃってる事もある。「そこまで疲れてるなら休んだら?」と訊いたものの、いつも「大丈夫だから心配しないで」と返されるだけだった。
それでアリシアちゃんになのはちゃんの様子を聞いたところ、どうも向こうでも休んでる姿は全然見ないみたい。どんな任務にも自ら出ていくし、事件があればどんな時でもすぐに向かうし、深夜の皆が寝ている時間帯でも働いてるそうな。リンディさんが働き過ぎだと注意した時、身体に宿る暗黒物質の影響なのか夜の方が働きやすいと言われたらしい。とりあえずその日は何とか帰したようだけど……根本的な解決には至らなかったようだ。
「ところで……すずか。前にプレシアさんに頼んで、なのはの勤務記録をちょろまかして見せてもらったんだけどさ……」
「アリサちゃん、それある意味職権乱用じゃないの?」
「そんなのは時と場合によるのよ。それより記録の方だけど、一目見た瞬間ふざけんなって思ったわ。なのはの奴、管理局に入ってから有給休暇を一度も取ってなかったの。それだけじゃない……休日出勤なんてザラ、むしろまともな休日なんて一日たりとも存在していなかった。SOPナノマシンを注入してからもそれは変わらず、むしろ更に酷くなっていった。学校も仕事の合間を縫ってどうにか来てる程度で、終わったらすぐに仕事に戻るといった始末。ブラック企業も真っ青なオーバーワークよ……!」
「そんな……いくら何でも働き過ぎだよね!? まだ小学生なのに、どうしてそこまで……!?」
「私もそう思ったし、プレシアさんも『いくら人手不足といっても、これはやり過ぎ
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