継承
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ら、ちゃんと整備してあげないと……」
「整備され過ぎて、もう発光してるんじゃないかってぐらい綺麗になってると思うんだけど……それは別にいいか。にしても最近、ホント物騒になってきたわよね……」
「テレビやニュースでもやってたけど、軍隊の民営化、戦争経済の活性化、PMCの需要拡大、石油やバイオ燃料などの高騰化……なんだか世界中が危険な方向に進んでる気がする。戦争してない日本でも、燃料高騰化は盛大にあおりを受けてるもんね。最近ガソリン代がとんでもない額に跳ね上がってるし……実際、今の日本の自動車平均利用率が例年より15パーセント以上も低くなってるんだから、皆車を使うのを自粛してるのかな」
「そう考えると、ムーンライトに搭載してある太陽エンジンは本当に便利よね。太陽光さえあれば動き続けられるエンジンだから、ガソリンの補給も必要ないし」
「……アリサちゃん、この超高性能エンジンを便利の一言で済ましちゃ失礼だよ。いい? 太陽光を浴びれば半永久的に大きな動力が得られるってことは、明らかにどこの人達も喉から手が出る程欲しく思って当然なんだよ。開発者の一人として言わせてもらえるなら、これはオーバーテクノロジーそのもの。だけど夜の一族の事もそうだけど、存在を公に知られてしまったら、これを求めて大きな争乱が起きてしまう。そうならないために、私が見えない所に隠しておく必要があるんだ」
事実、月村家はノエルやファリンを生み出した自動人形技術もあるし、夜の一族の事も公に知られる訳にはいかない。もっと狙われている自覚を持っておかないと、皆に迷惑をかけてしまう事になる。もしまた誘拐でもされてしまったら、あの時のようにサバタさんが助けに来てくれるはずもない。彼はもう……いないのだから。
「わかってるわよ、それぐらい。だから忠告に来たんじゃない」
「忠告?」
「そうよ。早めに暗黒剣とムーンライトを厳重な場所にしまっておきなさい。エレンさんから聞いたんだけど最近、奇妙な連中が次元世界全体で目撃されているみたい。彼女曰く、アンデッドが散発的に発生しているのにイモータルの姿が無いのは何かおかしいって……」
「つまり近い内に、また何かが起こるってこと? ラタトスクやファーヴニルの時みたいに?」
「確証は無いけど……可能性はあるわね。それで今の内に暗黒剣とムーンライトを誰にも奪われない様にしておけって事。……そう、それこそ知り合いに見せる事すら止めておいた方が良いかもしれない」
「どうして?」
「ラタトスクには“人形写し”という他人に化ける能力があったらしいわ。アイツはもう浄化されたけど、他のイモータルが同じような技を使えないとは限らない。知り合いに化けて奪いに来る可能性だって無いとは言い切れないのよ」
「そ、そうなんだ……。
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