第25話 ユグドラシル
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飲み干し、パンテオンやメカニロイドのパーツを回収し、今までの戦いで負った傷の処置に使いながら前に進む。
まるで死体から衣服を剥ぎ取るような行為だが、誰に何と言われようが、今のルインには立ち止まる事さえ許されない。
エックスを助けるまでは前に進まなければならないのだ。
「フリージングドラゴン!!」
氷龍を繰り出してパンテオンやメカニロイドを凍結させてしまう。
しばらくして、シャッターの前に辿り着いたルインはシャッターを潜り抜け、更に上にあるシャッターに向かって駆け登る。
シャッターから飛び出すと、ルインの視界に入ったのは、まるで大樹を思わせる装置だった。
これが恐らくはネオ・アルカディアの塔の最上階に存在する封印装置であるユグドラシルなのだろう。
ユグドラシルの下部、樹の根元に相当する部分にエックスがいた。
正確にエックスのボディだが…封印装置に埋め込まれ、変わり果てたエックスの姿を目の当たりにして、ルインは呆然と立ち尽くす。
だがすぐに目的を思い出し、エックスの前に駆け寄ろうとした。
「エックス!!」
エルピスがいないところを見ると、どうやら自分の方が早かったようだ。
もしエルピスが来てもゼロが来るまで時間を稼いで、ゼロと一緒に…。
「残念だったねー、ルイーン」
「え…?うあ…っ!?」
全身が金縛りにあったかのように動かなくなり、ルインはエックスの目の前で倒れてしまう。
「ぬか喜びさせてしまってすまないねえ。ゼロがいないのは残念だが、やはり、最後の仕上げは…君達の前でやらないと面白くないからねえ。エックスを完全に破壊すれば…ダークエルフは真に覚醒し…私は…究極の力を手に入れることが出来るのだーっ!!」
「や、止めて…止めてよ…お、お願い…」
怯えるような表情を浮かべるルインにエルピスは溜飲が下がる思いだ。
「フッフッフッ…それだ。お前のその顔が見たかった。前は私に対して呆れたような顔で私を見ていたが……そこで指を咥えて見ていろルイーーーン。お前の大事な大事なエックスが…目の前で破壊されるところを…な…クーーークックックーーー!!死ーーーーーーねーーーーーーエックスーーーーーー!!!ダークエルフを解放しろーーーーーーっ!!!!」
狂気に囚われたエルピスは、眠るエックスの胸にサーベルを突き刺す。
それもルインの目の前で。
「あ…ああ…」
目の前で起きたことが信じられず、目を見開きながら言葉にならない声を漏らす。
貫かれた胸から体中に亀裂が入り始め、エックスの体が爆ぜていき、腕が、足が弾け飛び、そしてとうとう完全にエックスのボディは爆散してしまった。
近くにいたルインは至近距離で起きた爆風で吹き飛ばされてしまう
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