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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第45話 結末
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『今度は……内から、だ。……全てを、終わらせてやる』


 ジャックは、再び。
 200年ぶりに、あの力を使う。


〈……やめて!!〉


 その時、だった。

 アルカードの体内に居るはずなのに、声が聞こえてきた。
 その声は、彼にとっても、安心出来る声。力を出す事が出来る、支えてくれる声だった。



『……………ありがとな。約束は破らない、と言っといて、情けないが……勘弁してくれ。……お前を、失うのだけは、耐えられない。自分が消える方が……マシ、なんだ』



 愛すべき人の為に、全てをかける。




 ジャックは、まだ悲痛な叫びを上げているアカーシャの声を聞きながら、考えた。





――……もしも、あの200年前に……アルカードを倒す事が出来ていたら? 自分自身も死なずにアカーシャと、御子神や東方不敗達といっしょに、帰る事が出来ていたら?





 心から愛する事ができた彼女と、結ばれる事ができただろうか。


 大切な彼女を この胸に抱く事が出来ただろうか。


 力いっぱい、抱きしめる事が出来ただろうか。


 ずっと、いっしょにいられただろうか。



 もう、そんな事はない、と思っていたのに……。また 誰かを愛する事が出来た。……そんな、彼女と。





『はっ…………一茶に、恨まれる。か……な』






 望んでも、もう有り得ない結末にジャックは笑みをみせた。


 そして、見せたと同時に、始めた。



――全てを終わらせる為に。












〜朱染城跡〜



 彼を、ジャックを感じる事が出来たアカーシャは叫び続けた。

「ジャック、ジャックっっ!!!」

 何度も、何度も叫び続けた。

 また、彼の声を聞きたいから。

 だけど……、次に聞こえてきたのは、あの時の悪夢。






――All spirits of the deads
(全ての精霊(エレメント)達よ……)

――Gather in my place
(我が下へ 集え…)

――Coming abnormal phenomenon…aqency of Providence
(来れ 森羅万象・神代の力)






 それは、まるで鎮魂歌(レクイエム)かの様に、聞こえてきた。

 それは、彼が消える結果となった、超絶破壊の力。



「っっ! や、やめ……やめてぇぇぇぇぇぇ!!!」



 アカーシャは叫ぶ。何度叩いても、蹴っても、彼の結界は全てを拒んだ。
 それは、アカーシャだけ
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