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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第45話 結末
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のは嫌だ、と思っていたのに。
『………大丈夫だ。ちょっとばかり、遊んで、……くる。モカを、たのんだ……』
「じゃっ……!!」
ジャックがそう言ったと同時に、土中より現れた大きな頭が口を開き、触手諸共、ジャックの身体を喰い尽くしたのだった。
――わたしは、また……また、たいせつなひとを、うしなうの?
目の前で起きた光景。
自分から攻撃を庇った為に、彼は捕らわれてしまった。そして……
それは嘗て起こったあの時の事を連想させてしまった。トラウマと言っていい過去の記憶を、蘇らせてしまったのだ。
何もできない自分。
己を犠牲にして、全てを背負い、命を散らそうとしたジャック。
消えゆく、彼の身体。
――せっかく、せっかく…… ま、また あえたのに?
ジャックの言葉が、あの時の言葉がアカーシャの脳裏に蘇ってきた。
――じゃっくのせい? ……ちがう。にんげんに、ぜつぼうして、そして、いっしょに
わたしも
(
・・・・
)
いた。 ちがう。 せきにんは、わたしに、ある。
アルカードの過去。
それはアカーシャもよく知っている。いや、知らない筈がない。アルカードと自分は、
同じ
(
・・
)
なのだから。
世界から、色が消え失せ、自分自身の妖力よりも深い暗黒に心も蝕まれそうになったその時だ。
――……さぁ、終わらせよう。
また、聞こえてきた。
優しい、あの声。安心する、あの声。愛しさが溢れる……声。
「じゃ……っく?」
アカーシャは、焦点が合わない目で、アルカードを見つめた。気を抜けば、モカを落としてしまいかねない精神状態だったが、それをかろうじて、支えていたのはジャックの言葉だけだった。
そして、彼の声がまた、聞こえてきたのだ。
〜アルカード 体内〜
アルカードの体内に飲み込まれたジャック。
このどう表現すれば良いのか判らない世界。グロテクス、と言えば簡単だが、それだけではない。世の中に、地獄が存在する、というのなら、間違いなくこの場所がそうであろう、と言える。
まるで1秒事に 全身から力を抜かれてしまうのだから。だが、それでも痛みは無い。ゆっくりと時間をかけて、消化されていくのだろう。
だから、時間がない。
『……あの時は、外からだった』
ジャックは、体内で頭上を見上げた。
最も、妖力を感じ取れる部分。……恐らく、本体の脳だろう。
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