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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第45話 結末
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た。亞愛がどういう行動を取るのかはもう判っているから。目的よりも、モカの方が大切だと言う事を、ジャックも知っているから。

「……ええ、わかった」

 亞愛は、突然 アカーシャの後ろに現れた男に驚いていたのだが、その相手がジャックである事、アカーシャにとって大切な人である事を確認したと同時に、臨戦態勢に入った。


 もう、あまり猶予は無いのだから。

「……頼んだわ。ジャックっ!」

 アカーシャは、短くそう言うと同時に、大地を蹴り まるで飛ぶ様に跳躍し、モカがいる方に向かっていった。

 それと同時に、ジャックと亞愛も行動を開始する。アカーシャから離れすぎず、近づき過ぎず、邪魔な触手を破壊する為に。

「モカを返してもらうわよ!」

 両の手に宿らせたのは次元の刃、《崩月次元刀》。
 この世に斬れぬ物などは存在せぬ、と言わしめる最強の刃。それは、アルカードの触手とて、例外ではない。目にも止まらぬ閃光の如き速度で、亞愛は無数の触手を切り裂いた。

『亞愛! 油断するな! こいつらは切っただけではとめられない!』

 切り裂いた事に、その手応えを感じ、警戒を緩めたのを感じたジャックは、亞愛にそう言うが、少し遅かった。

 亞愛が切り裂いた筈の触手が、切り離された筈の触手が、瞬時に切断面から新たな無数の触手を生み出し、結合。元の状態に戻ったと同時に、攻撃をした亞愛を標的として、向かってきたのだ。

 が、確かに巨大であり、強大であると言えるが、それは《力》の面でのみだ。
 巨体ゆえに、速度は然程でもない。本体から遠い触手であれば尚更だった。
 だからこそ、ジャックは、亞愛を抱き抱えて、迫ってきた槍の様な触手を回避する事ができた。

『こいつらを止めるには、《斬る》だけでは足りない。手本をみせようか。……《雷の力 自然神(ロギア)

 ジャックは、両の手を合わせ、ゆっくりと開いていく。
 ばち、ばちっ と突如起こる空中放電。比喩ではない、実際に目も眩む雷撃による閃光が迸ったか、と思った次の瞬間、完全に開いた両の手から、巨大な槍が生まれていた。

 己の身体よりも遥かに長い槍を。

『雷神槍』

 構えたと同時に、まだ攻撃をしていない、槍を放っていないというのに、まるで意志があるかの様に、その巨大な槍から迸る雷撃は、無数の触手を蹂躙していった。

 妖怪であろうと人間であろうと、身体には水分が存在する。感電によって、瞬時に触手全体に行き渡り、身の内から強力な電熱によって焦がし続ける。

『……オレの親愛な人達に……()、手を出そうってのか? アルカード』

 雷の槍を構え、そして 睨み付けながら吼えた。


『…させるかよ! 図に乗るな!!』


 そ
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