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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第45話 結末
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まだ、最愛の娘のモカがいる。それでも、() もう1人の最愛の人を失った苦しみは、彼女の精神を深く傷つけた。モカは、亞愛が助け出す事は出来たけれど……、アカーシャはそのままアルカードに取り込まれたのだ。

 不死の吸血鬼(ノスフェラトゥ)と呼ばれているアカーシャ唯一の弱点が、精神への攻撃だった。

 だけど、しなければならない事はある。
 今回も、アルカードを殺す事が出来なかった。また、彼を失ってしまった。



「………わたしが、やらない……と」


 真祖の力は、真祖が封じる。
 膨大に膨れ上がったアルカードの妖力は、ジャックの攻撃で殆ど吹き飛ばしてくれている。だからこそ、前回も封じる事が出来た。


「……なにひとつ、かわらない。…わ…わたしは、……………………」

 



 そんな時、だった。


『やれやれ……ったく、君は また無茶をして… はぁ…なんでここまで自己犠牲神を出しまくってくるかな? こいつは……」

 突如、この闇の世界で声が聞こえてきた。そして、確かに見えた。体内だと言うのに、白く輝く女性の姿を。

「だ、だれ……?」

 辛うじて、アカーシャの心に、目に光が戻り、その光の女性に声をかけた。

「えっ……、あ、あれ?? なんで此処に? それに、きみ、私のこと見えるの?」

 こちらに気付いた人?が話しかけた。

「あなたは……いったい、だれ?」
「……気のせいじゃない。本当に見えてるんだね… おかしいな? この世界で私のことが彼以外に見えるなんて…なんでだろ? ……これも歪みが生じたせい、なのかな?」
「……なにをいってるの?」
「見えてるんなら、仕様がないや。誤魔化せそうにも無いし。……彼にとっては不本意かもだけど、全部言おうかな」

 光の女性は、彼を、ジャックをこの世界に誘った《女神(シェリア)である。

 彼女は、簡潔に 時折端折りつつだが、これまでの事を話した。



 それは、ジャックと言う存在について。


 まだ、辛うじて彼の命の火は消えていないから。彼と同じ世界から来た彼女なら、救う事が、彼を助ける事が出来る可能性があると言う事。勿論100%じゃない事。

「(漫画の世界、なんていったらこんがらがりそうだし。と言うか、信じてもらえる自信もないし。こう言うのも御法度なんだけど、まあいっか。……見えちゃったのは仕方ないし…、見られちゃった事も)」

 一通り説明し普通は眉唾で簡単に信じないと思うのだが アカーシャは信じた。

 ぼろぼろになった心に温もりが戻ってきた。

 シェリアは、手を翳すと同時に、目を閉じた。

 光の粒子が、アルカードの体内の至る所で光り出し、その粒子は一つの形を成
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