第2話 出現
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線を交じ合わせる。
「あぁ!?」
「今度は妙に痛い暗黒眼というんじゃないかと心配しますわよ。頭を打ったのかと……」
「バカにしてんのか」
サソリは語気を強めて、起き上がると白井の襟首をつかもうとするが、ヒョイと躱されて力が入らない身体がいやに重く感じた。
「ダメだよ。ちゃんと大人しくしてないと」
佐天が軽々とサソリの肩を掴んで、定位置に戻す。
「……」
これには、サソリは少なからずショックを受けてしまい、シュンと拗ねるように横を向いた。
女に力で負けた。
女に力で負けた。
そして脳裏に浮かぶのは、前に戦った桜色の髪をした娘。怪力で岩を砕いている描写だ。
サソリの小さな自尊心を著しく傷つき、サソリはふて寝を決め込む。
更に「そういえば、見つけた時に初春がおぶって来たのよね」
「あ、はい!軽かったんで大丈夫でした」
何……?サソリは、発言した女性に注意を向けると明らかに運動が得意そうでない花を頭に置いたおっとりとした印象の女が視界に入る。
あっちでも女に負けて、今度はこっちでも負けるのかよ……
かつての暁組織でコンビを組んでいたデイダラが居たら、絶対バカにされているところだろう。
「サソリだ」
ムスッとしたように答える。敗者の掟だ。ひとまず、言う通りにしておくか。
サソリ……?
いまいちその単語にピンと来ない四人は互いに顔を見合わせる。
「オレの名だ、サソリ」
4人の脳裏に毒を持つ凶悪生物の代名詞であるサソリが「シャー!!」と奇声を上げて威嚇しているイメージが流れた(注 生き物のサソリはシャーと鳴きません)。
目の前の華奢な少年からは想像できない凶悪生物の名前に驚きを隠せない。
「嘘っぽい名前ですわね」
「勝手にしろ」
こうして、学園都市の常盤台中学のエースでレベル5(超能力者)「超電磁砲(レールガン)」の御坂美琴、常盤台中学のレベル4(大能力者)「空間移動能力者(テレポーター)」で風紀委員(ジャッジメント)のメンバー白井黒子、柵川中学のレベル1(低能力者)「定温保温(サーマルハンド)」で風紀委員(ジャッジメント)のメンバー初春飾利、柵川中学のレベル0(無能力者)である佐天涙子と元暁のメンバーで天才傀儡造形師の赤砂のサソリは出会ったのだった。
互いが違う世界の住民だとは夢にも思わずに、日々学園都市で巻き起こる事件や事故に巻き込まれていく五人のドタバタとした日常が開幕するのだった。
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