第2話 出現
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腑に落ちない。
「ここは病院ですわよ。さらに言うと学園都市ですわよ。それであなたはどこの学校所属ですの?」
がくえんとし?
サソリ自身にはそんな里があることは知らない。暁時代から各地を転々としていたからわりと地理と地形には詳しく把握している方であるが、それでも見たこともなければ聞いたこともない。
それよりも忍として認可された額当てをこの少女たちがしていないことにもどう取っ掛かりを付けて良いのか迷う。
さらにサソリは、不機嫌そうな目つきになると天井を仰いだ。ワケが分からない。サソリは確かに核となる部分を刺されて機能を停止したはず。傀儡使いとして自分の身体、人傀儡としての機能働きから考慮しても核を貫かれれば動かないはず、それなのに……。要領を得ないまま黙っていると白井が少年の頭をぐりぐりと力を込めてねじ込み始めた。
「いだだだだだだだだだだだだ」
「名前と所属はなんですの?」
サソリは痩せた腕で白井の腕を引きはがそうとするが、思ったよりも筋力が足らないらしく白井の腕を引きはがせないままにぐりぐり攻撃を受け続けて、悶絶をするだけだ。
「あだだだだだだ、てめえ!やめろぉぉぉ!」
久々の痛みの感覚に反射的に涙が出たところで御坂がポカンと白井の頭を引っぱ叩いた。
「かわいそうでしょ!こんな年下の子供に」
「そんなお姉様」
「―っ!!!痛えー!!」
頭を抑えて悶える赤髪の少年に対して御坂が優しく声をかける。
「お姉さんに名前を教えてくれるとうれしいなあって思うんだ」
サソリは涙眼で御坂を睨み付けて、
「……ちっ(舌打ち)」
上手く状況が飲み込めないサソリは舌打ちをあからさまに行い、拒絶の姿勢を見せる。なんだか他の里に捕まり、尋問を受けているような感じだ。
ビキ!!御坂さんの笑顔のコメカミに十字の亀裂が浮かぶ。
「こんのぉぉぉぉぉぉ」
御坂はバチバチと電撃を出しながら、病院に備え付けてある畳まれたパイプイスを手に持ってサソリに殴りかからんばかりに力を込める。
「御坂さん落ち着いてください」
「相手は子供ですよ。こんなところで能力出したら、部屋がぶっ飛んじゃいますよ」
と初春と佐天が野獣のようになった御坂を全身で止めに入った。
「人が心配してんのに、その反応は何よ!!」
うんうんと頷く白井。
「ひとまず、落ち着いてください。ねえ、身体の中で痛むところはない?」
サソリは、佐天の一言で初めての自分の身体に起きている真実を確認していく。
「……どういうことだ?」
かつて施した仕掛けどころか、傀儡のような特有の凹凸がない自分の身体に戸惑いを覚える。
「オレは、人間になったのか?」
不可解な反応を見せるサソリに白井が白けた眼を見せる。
「人間になったって、最近のB級映画でも見ない設定ですわよ」
腕を組んで、哀れみの視
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