序
ep.001 『廃ビルと不良集団』
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ある場所、そこに着いた。
見えるのは、まるでボロボロなビル。まあ、おそらくは建設か廃棄の途中に問題とかが起こったんだろう。
天辺の方は少し欠けているな。廃棄の方が近いか、あの砕け方は。
「行くけど御臼ちゃん、準備はいいね?」
横にちょこんといるポニーテールに言う。
「もちろんですよ。」
此方に向いたあと、
「正義を名乗る悪は、私が更生させてあげます!」
(クッソ!! 御臼ちゃんの説教とか、俺が受けてぇ―ッつうのによぉ〜。)
夢絶が御臼の愛おしさのあまり、内面だけで発狂する。
もちろん、けっこうな長い付き合いなのでこういう事は知っているし、もちろんながらツッコミを入れる。
冷たい刃のような視線で、
「いえ、カノ先輩は更生でなく、転生してください。」
「エッ!? 死ねとッ!!!!」
即答の返し。
「って、こんな事してる場合じゃないよ、御臼ちゃん。」
気を取り直し、
「そうですね、すいません。カノ先輩があまりにも気持ち悪いもので。」
おふざけとは思えないトーンで、嘘と思えないくらいに目線も此方に向けずに言い放った。
愛を感じない。
いや、愛はなくとも、尊敬とか信頼とかさえも皆無だ。
「御臼ちゃん、いつか押し倒してやる!」
面と向かって言ってやった。公衆の面前で。
「行きますよ。」
聞かれてなかった。
入口、入ってすぐ。どうやら両開きの結構良い扉だったらしく、もうない扉の後はまあまあ大きかった。
「おいっ! お前ら、ここは関係者以外立ち入り禁止なんだが?」
濁った緑色の不潔めな学生らしき人物が3人。
「すまんな。風紀委員だよ。」
夢絶がポケットから緑の腕章を見せる。
何故持っている。
『御臼 来未』は驚きを隠せず、開いた口が開かなくなっていた。
「クソッ、風紀委員かよ! まあ、まだあの空間移動の縦ロールよりはましか。」
相手の不良は何やら安心しているが、知らない。夢絶の能力『二次災害』と御臼の能力『布地硬化』の能力を。
不良が何かを後ろのシャツの裏から片手で取り出す。
パンッ!!!
外ではその音に悲鳴を上げながら人が逃げていく。
一方の夢絶達はというと、
咄嗟だったので、
「ちょっ、銃は不味いって。」
冷静かつ無傷だった。
「間に合って良かったです。」
これが布地硬化。衣類の繊維を硬化させ、ダイヤモンドの3倍の硬度を誇るカーバインをも超える硬度を誇る。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ