2部分:第二章
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第二章
「その髪の色似合ってるしな」
「いい感じよ」
「悪いな。しかしな」
だがここで彼は。これまで抑えていた己の本音を言うのであった。
「おい大道」
「何?話終わったわよね」
「終わったさ。けれど言うな」
それでもといった感じだった。今の彼は。
「御前その無神経な言葉何とかしろ」
こう言うのであった。
「さもないと何時かとんでもないことになるからな」
「別に大したこと言ってないじゃない」
こう言われても気付かない彼女だった。
「そうでしょ?別にね」
「気付かないのなら勝手にしろ」
彼は今度は忌々しげな口調で返した。
「それでな」
「まあとにかくこれで話は終わりよね」
「ああ、終わりさ」
彼の言葉はまだ忌々しげなものだった。それでもこう言うのだった。
「けれど俺の言ったことは本当だからな」
「そうなの」
そう言われてもこんな調子の彩夏だった。そのまま平気な顔で別れていく。彩夏は一時が万事こんな調子だった。それはこの時もであった。
「えっ、香里奈が?」
「そうなのよ。彼氏がね」
「浮気したらしいのよ。それも相手は女子大生」
同じクラスの谷崎香里奈のことがクラスの中でひそかに話題になっていた。彼女の彼氏が浮気をしてそのことでひそひそと話しているのだった。
「それもかなり奇麗な人なんだって」
「えっ、じゃあ香里奈もう」
「彼氏取られるのかしら」
このことは当然ながら彩夏の耳にも入った。そして彼女はここでもやってしまうのだった。
「ねえ香里奈」
彼女のところに来て声をかける。香里奈はクラスの中ではとりわけ美人と言われている。神は短く切っておりほぼショートである。目元は優しく二重で彩夏よりは緩やかなカマゴコ型をしている。唇は奇麗なピンクで大き過ぎず歯並びもいい。肌がとにかく白い。そうしたはっきりとした美人である。
だが今その彼女は泣いたような顔になっている。理由は誰もが知っている。当然彩夏も。しかし彩夏は彼女の気持ちはわからなかった。だから言ったのだ。
「ねえ香里奈」
「えっ、彩夏が」
「まさか」
皆彼女が香里奈のところに来たのを見て不吉なものを感じた。
「また変なこと言うつもりかしら」
「今彼女に何か言ったら」
不安だった。しかもその不安は的中してしまったのだった。
彩夏は言ったのだった。それも皆の予想通りとんでもないことをだ。
「残念だったわね。けれどいいじゃない」
「いいって?」
「男の子は他にも幾らでもいるわよ」
彼女の気持ちを考えずに言うのだった。
「だから別に気にすることないわよ。それに」
「それに?」
「あんな奴忘れなさいって」
平気な顔でまた言ったのであった。
「あんたに魅力がなかったかも知れないしね。忘れて次の恋
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