暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT ブレイブバトル
DUEL4 バトルロワイアル戦
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それはあっという間だった。
春休み。いつも忙しい父に連れられて、家族全員で買い物に来た今日この日。

ノーヴェは1人、絶賛迷子中だった。

『ノーヴェ、今日は人も多いし手を繋がないと迷子になるわよ』

と母親に言われたノーヴェは素直に双子の姉のウェンディとしっかりと手を繋いだ。本当はもう1つ姉のスバルと手を繋ぎたがったが、ウェンディを拒む事は出来なかった。

しかしそれが間違いだった。

『あっ、あれは新しく発売された話題のおもちゃッス!!』
『きゃ!?』

そう言って不意に駆け出すウェンディ。

『ちょっとこらウェンディ!迷子になるでしょ!!』

ウェンディを追いかけるように皆慌てて付いていく。

『痛たた………』

軽く転んでしまい、服を払って立ち上がる。

『………あれ?みんなは?』

そして気が付いた時にはノーヴェは迷子になっていた………








「みんなぁ………」

泣き出しそうになるところを堪える。皆と一緒にいた時とは違い、いきなり別の世界に来てしまったような感覚を感じていた。

周りを見渡すがやはり家族の姿は見えない。
段々と膨れ上がる不安に押し潰されそうになるノーヴェ。

「ううっ………」

もう限界だった。小学生にもなって迷子で泣く様な恥ずかしい思いはしたくなかったが耐え切れそうにない。

「ほい」

そんな時だった。いきなり知らない人に声をかけられ、目の前にシャーベットのカップアイスを差し出し、隣に座ってきた。

「あ、ありがとうございます」
「構わないよ」

そう言って男も自分のアイスを食べ始めた。

『知らない人に声を掛けられても、貰わない、付いていかない』

と母親に教わっていたノーヴェだが、急に渡されたのと、心細かったのもあり、素直に受け取ってしまった。

「家族と逸れちゃったのか?」
「はい」

アイスそっちのけで家族を探しながら返事をするノーヴェ。アイスよりもやはり家族の事で頭が一杯だった。

「取り敢えず落ち着いてアイスを食べな。心配しなくても君の事を絶対に探してくれている」
「は、はい………」

不安そうにしながらもノーヴェは言われた通りアイスを食べる事に集中する。
暫く一心不乱に食べ続けた為、あっという間に食べ終えてしまった。

「もっと落ち着いて欲しかったんだけどな………まあ良いや。君の家族の特徴を教えてくれないか?」
「えっ?」
「俺も一緒に探してあげるよ」
「あっ、はい。えっと、えっと………」
「慌てなくて良いよ。ゆっくり教えて」










「予想外だったなぁ………」
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