第二百三十八話 幕府その十一
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城内の最も広い場所に来た、そこに来るとだ。
兵達が集まっていた、そして大名達も。その彼等がいてだった。
信長はその彼等にだ、微笑んで言った。
「行くぞ」
「はい、これより」
「伊賀ですな」
「伊賀に行き」
「そしてですな」
「あの者達を」
「倒す、ではな」
こう話してだった、それからこの言葉を出した。
「全軍出撃じゃ」
こう言って自ら馬に乗ってだ、出陣した。それに全軍続いた。
四十万の兵達が続いた、何時しか四十万の兵の先陣にだ。明智がいた。その後ろには斎藤と秀満がいる。
明智はその二人にだ、こう言った。
「わかっておるな」
「はい、これよりです」
「先陣を務め」
「そのうえで」
「あの者達を」
「倒す」
是非にというのだ。
「雪辱を晴らす」
「わかっております」
「操られたのが間違いでした」
「そして上様に弓を引いた」
「危うくお命さえ」
「奇妙様にまで」
「許せぬことです」
何よりも操られた自分達がだ。
「その操ってくれたお礼をです」
「あの者達にしましょうぞ」
「汚名返上と共に」
「伊賀において」
「そのつもりじゃ、そしてじゃ」
また言う明智だった。
「あの年寄りの首を取るぞ」
「はい、そうしましょう」
「何があろうとも」
「我等もそのつもりです」
「殿と共に」
ここで足軽達も明智に言って来た、明智家に仕える彼等も。
「この度の先陣において」
「先の汚名を返上してです」
「手柄を立てて雪辱を果たしましょう」
「何があろうとも」
「そうしましょうぞ」
「頼むぞ、上様は我等にその機会を下された」
汚名返上のその時をというのだ。明智はそのことがわかっているからこそ余計に強く思って彼等にも言うのだ。
「ならば死ぬ気でいきな」
「そのうえで」
「名誉を取り戻し」
「必ずです」
「あの者達を討ちましょう」
足軽達は意気込んでいた、明智はその彼等を率いてだった。
安土から伊賀に向かう大軍の先陣を務めていた、その後ろに天下の名だたる将と精兵達が続いていた。
信長は本陣において信忠と共にいた、その彼に。
二人を補佐する立場の信広がだ、こう言って来た。
「ではまずは伊賀を囲み」
「そのうえでな」
その彼に信長が応えた。
「一気に攻める」
「そうされますな」
「そのうえで決める、しかしな」
「この戦では」
「まだ決まらぬな」
戦いは終わらないというのだ。
「まだ続くであろう」
「ではここで魔界衆達を討つのは」
「奴等の数を減らしじゃ」
「そしてそのうえで」
「奴等の戦の仕方をあらためて観る」
「その為のものですか」
「一向宗との戦の時に混じっていたのを何度も破ったが」
その時の戦はというと。
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