第六幕その二
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「安心してね」
「二つですか」
「一つはジョージと臆病ライオンさんが入って」
「もう一つはですね」
「私とチクタクよ」
「私はーー別にーーいいーーですーーが」
テントに入らなくてもとです、チクタクは言います。
「寝る必要ーーがーーないーーので」
「雨が降ったらよくないし朝露が着くから」
「だからーーですーーか」
「ええ、だからよ」
「私もーーですーーね」
「そうなの、だからね」
ジュリアはチクタクに笑顔を向けて言います。
「一緒のテントにいましょう」
「それならーーです」
ここでチクタクはジュリアに言いました。
「私はーージョージ達ーーとーーです」
「一緒になの」
「休みーーます」
「男の子だけで?」
「レディーーーとーー同じ場所ではーー夜をーー過ごしません」
こう言うのでした。
「それがーー礼儀ーーです」
「真面目ね」
「そうーーでしょうーーか」
「私は別にいいけれど」
チクタクと一緒に寝てもというのです。
「貴方は機械だから」
「機械ですーーが」
それでもとです、チクタクはジュリアに返します。
「私もーー男ーーですので」
「だからなのね」
「男女ーー別のーー場所でーー寝る」
「そうなっているから」
「そうーーしまーーす」
「そこまで言うのならね」
ジュリアも頷きます。
「そうするわね」
「でーーは」
「ううん、チクタクってね」
チクタクの言葉を聞いてです、ジョージは頷きつつ言いました。
「凄く真面目だね」
「うん、そうなんだ」
臆病ライオンはジョージのその言葉に応えました。
「チクタクは僕達の中でも一番真面目だよ」
「この四人の中で?」
「オズの国全体でもね」
「一番真面目かな」
「そう言っていいね」
「そうなんだね」
「ジュリアも真面目だけれど」
それでもというのです。
「チクタク程じゃないかな」
「ええ、私もさっきのやり取り通りよ」
そのジュリアの言葉です。
「チクタク程じゃないわ」
「そうだよね」
「ええ、その真面目さも頼りにしているわ」
こうも言うのでした。
「それじゃあね」
「はい、そのチクタクと一緒に」
「スパイスを貰いに行きましょう」
こうお話してでした、四人でそのお百姓さんのところに向かうのでした。その途中チクタクの動きが止まりかけてもです。
ジュリアとジョージで背中のゼンマイを巻いてあげつつ先に進みます、赤いカドリングの国の中を。その中で、です。
赤い草原の中の黄色い煉瓦の道、皆が歩いているその道のところにです。
一人の赤い服と鍔の広いとんがり帽子とブーツ、カドリングのその服を着ている男の子が困ったお顔で歩いていました。
その男の子にです、臆病ライオンが声をかけました
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