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歌集「春雪花」
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 白雪の

  田畑染めにし

   山里の

 遠く想へば

    恋ぞつのりし



 雪が降り頻るここは、どこもかしこも真っ白に染まり…田圃も畑も見分けがつかなくなるほどだ…。

 彼が居る場所には、こんなに雪が降ることはない。それだけ遠くへと行ったのだ…。

 そんな彼をここで想う私は…ただただ恋しさが募るだけ…。

 まるで…冬に雪が降り積もるように…。



 久方の

  星の覗けき

   冬空に

 忍びて想ふ

   ここに居ぬ君



 途中から雪が止み、久々に晴れた夜空が広がった…。

 星々は瞬き、寒い夜空を飾ってはいた…。

 しかしそれを眺めると、彼といた…彼といれた日々を思い出し、時の無情さに溜め息をつくのだ…。

 出会えたからこその…この熱い想い…。
 しかし…出会ってしまったからこその…この侘しさ…。

 私に幸福は…あるのだろうか…?

 それとも…全てを…諦めるべきなのだろうか…?

 この先にあるのは…果して…。




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