第十八話「知らぬが仏?」※修正
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弥生ちゃん? 俺が言いたいのはそう言うことじゃなくて……」
「あんれ? 狼じゃねぇか?」
「……?」
焦る俺の背後から、何やら聞き覚えのある声が……蒼真である。
「蒼真さん?」
そして、そんな彼の隣には一人のクールビューティーな美女が……
――あ、もしかして……この人が弥生のお姉さんか?
「蒼真、この者は?」
と、美女は蒼真に問う。
「こいつぁ、鎖火狼。お前んとこの零を扱う奴だ。んでもって、弥生のボーイフレンドさ?」
「そ、蒼真さん!?」
行き成りそんなことを言いだす蒼真に俺は顔を赤くした。
「ほぉ……其方が?」
すると、美女は俺をマジマジと険しい目つきで宥めてくる。
「ふむ……この少年が、零を?」
しかし、険しい顔から徐々に興味深そうな表情へとかわり、彼女は俺を見るのをやめた。
「狼、彼女は弥生の姉さんの神無だ」
と、蒼真が彼女を紹介した。やはり、弥生の姉だったか? しかし……妹とは対照的になんだか厳しそうな人だな……?
「うむ、気弱な雰囲気に見えるが温厚で正義感に満ちておるな? 妹を救ってくれた話は聞いておる。それとドイツの代表候補生との戦いも……零が選んだ青年なら、この先も弥生は大丈夫だ。狼とやら、これから妹と仲良くしてやってくれぬか?」
「は、はい!」
クールなスマイルを向けられて、俺は顔を赤くして返事をした。
「ところで、蒼真さんも買い物ですか?」
俺は、ふと彼に問う。
「おう! 弥生が海に行ってみたいって言うからな? コイツの水着を買いに来たんだ」
「こ、これ! 蒼真? 余計なことを言うでない!!」
顔を赤くする神無……弥生とは違って別の可愛さが窺える。
「んじゃ、俺たちは先に行くぜ? お前も今日は弥生と楽しみな?」
そう言うと、蒼真は神無を連れて店を出て行った。
――神無さんか……
すごく綺麗な人だ。ただ、今の俺にはその感想しか思い浮かばない。
「ろ、狼君!?」
と、ここでタイミングよく試着室のカーテンを思いっきり開ける弥生が……って、弥生!?
――そ、その格好は……!?
案の定、彼女は黒いVの字ビキニを見事着て見せたのだ……そして、俺の鼻の下には赤い液体が垂れ流れる……
*
「うわぁ〜! 遊園地だ……」
目をときめかして、比奈は一夏と共に近くの遊園地へ出向いていた。
「でも……いいの? チケット、高かったんでしょ?」
「いいって? ここは、男女のカップルならチケットが半額なんだ? 勝手ですまないが、ちょっとそういう風に見せかけてもらったぜ? 比奈」
「え、えぇ……!?」
比奈は化を赤くする。つまり、はたから見て二人は恋人同士に見られていたのだ……
「そ、そう見えるかな……?」
モジらせてそう一夏へ訪ねる。
「ああ、もうバッチしカップルに見えてたぜ?」
だか
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