第十八話「知らぬが仏?」※修正
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こともあり、その時は彼女にタオルケットを投げつけて部屋から蹴り出したそうだ。
「……ほう? 一夏のやつが、女と?」
そう、珍しそうに宥めるラウラだが、無関係な彼女とは違って箒と凰は他人事ではなかった。
「おのれ……あんな天然ドジっ子オカチメンコに一夏を取られてなるものか!」
「フフッ……どこの誰だか知らないけど、アタシの一夏に手を出すって良い度胸じゃない? よほど死にたいようね?」
そんな二人の殺気めいた様子を見るとシャルロットが慌てて止めに入る。
「え!? ちょっとやめなよ? 二人とも? 一夏達が可哀相だよ!?」
シャルロットはそう言うも、その他の女達は殺意や興味津々に満ち溢れていて聞こえてはいない。
とにかく、女子たちは一夏達の後を追った。
「うわぁ……これ、綺麗だね? 可愛い……」
二人が入ったのはジュエリーショップ。そこは女性たちの目を魅了する美しい金物が沢山売られている。
「俺にはわからないけどな?」
と、一夏は苦笑いした。なにせ、彼にとっては全部同じように見えてしまうしこんなキラキラしているだけで、どこがいいのかわからない。
「綺麗だね……?」
しかし、店を出ようとしても比奈は気に入った品があったのか、それが目から離れないでいる。
それは。勾玉の形をした緑色のペンダントだった。
「欲しかったら買えよ?」
「うん……でも、わたしのバイト代じゃ足りないかな?」
値札をみると、それなりの価格が値札にかかれている。しかし、そこまで高いという値段じゃない。
「よし……これください?」
と、一夏は比奈が欲しがっているその勾玉のペンダントをレジへ持ってッた。
「え! わるいよ?」
「いいって? 式神に似合いそうだと思うんだ。これかけて境内を奉仕している巫女装束の姿を見ると眩しく見えてさ?」
「そ、そんな……私なんて、ただのバイトの巫女だし」
「でも、いつかは正式な神職になりたいんだろ?」
「う、うん、そうだけど……でも、そんなお高いの……」
「いいって」
と、一夏は会計を済ませて勾玉が入った紙袋を彼女に渡した。
「あ、ありがとう!」
よほど欲しかったのか、結構喜んでくれた。今でも笑顔が絶えない。
「あ、あのエセ巫女がぁ……!」
「あんのお下げ……!」
歯を軋らせる箒と凰は、どす黒いオーラを放っていた。
「ほう、男性からの贈り物……つまり『プレゼント』、というものか?」
ラウラは、関心の様子。
「羨ましいですわ……?」
しかし、今まで女尊男卑に染まってきたセシリアは、とても羨ましく思っていた。彼女は、今まで生きてきた中で彼氏なんて一人もいないのだ。ましてや、好きな男性から物を買ってもらうなどというシチュエーションは彼女にとって夢のまた夢らしい……
「うわぁ〜……いいなぁ?」
シャ
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