第十八話「知らぬが仏?」※修正
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の影響で男たちは、あの手この手で権力を欲しがろうともがき始め、ついには日本の警察にも賄賂というものが当たり前のように流行っていた。そして、中には暴力団やテロにも加担する警官まで現れたとなれば世も末である。
「今時、あんな奴らに公務なんてものする資格はねーよ?」
一夏のいう台詞は、確かにこの時代で言うには最もな言葉であった。
そのままバイクは加速を続けて走りだし、田舎からメガロポリスのショッピングエリアまでは約二十分程度で到着した。
「うわぁ! 一夏ちゃん、見て見て!?」
バイクから降りた途端、比奈の目の前には見たこともない刺激的光景が飛び込んでくる。山のように、いや、それ以上に巨大な迫力を持つビルや建物、そして湾の中を行き交う遊覧船。全てが彼女の目を魅了した。
「へぇ? 嫌がってたくせに興奮気味だな?」
と、はしゃぎ回る比奈を見て意地悪そうに一夏がにやけた。
「んもう! いじわる……でも、すっごい所だね? 首が痛くなっちゃいそう」
「人柄を覗けば、便利な場所なんだけどな……」
皮肉にもそうである。ISと女尊男卑、そして、それに被れる人間達すらいなかったら、今頃このメガロポリスは世界に誇る大都市になっていたことだろう。
「それよりも! 早くお買い物に行こ?」
興奮が止まらない彼女は、一夏の手を引いて駆け出していく。
「ちょ、ちょっと? そう引っ張るな?」
ショッピングモールは、本当に比奈を夢中にさせた。女の子を夢中にさせるようなファッションセンターやジュエリーショップと雑貨店、どれも比奈には新鮮なものだった。
「一夏ちゃん! あのお洋服可愛いね?」
ガラス越しに展示されたマネキンの着た洋服を見ている比奈のもとへ一夏が歩み寄る。彼女が見ている物は、オシャレなワンピースの服だった。
「へぇ? 綺麗だね……」
「いいなぁ? こういうの着れる子たちって……」
値札を見ると、数万もするブランド品だった。さすがに二人の所持金では無理がある。
「すまない……俺の金じゃとても……」
「別に欲しくはないよ? ウィンドウショッピング。それだけで十分だよ?」
比奈にとって、見ているだけで都会を満喫している気分と変わりなかった。
「そうか……でも、飯ぐらいは食おうぜ? ハンバーガーとかさ?」
「ハンバーガー? あれって、テレビのCMで映ってるあの食べ物?」
「何だ、食ったことないのか?」
「う、うん……」
一夏は驚いた。ハンバーガーなんてコンビニでも売っているジャンクフードだ。誰しもは一度ぐらい食べているものだと。
――まぁ、あの里は確かにコンビニすらなかったからな?
「じゃあ、昼になったらハンバーガーでも食うか?」
「え、いいの!?」
比奈にとって、ハンバーガーが食べれるというのは、高級レストランで食事できるのと同じよう
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