第十八話「知らぬが仏?」※修正
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近づく臨海学校に備え、IS学園の生徒達はこの準備に向けて大忙しの様子だった。
「ようやく念願のパラダイスまであと少しだ〜!!」
教室内がやけに騒がしい。前日でもハイテンションではしゃいでいるのは太智である。
「清二! 今から一緒に買い物へ行かないか?」
「ああ、いいけど?」
ハイテンションな太智を見て、やや苦笑いを浮かべる清二。
「海パンでも買うのか?」
と、何気でもなく問う清二。
「違うって、カメラだよ? カメラ」
「カメラ?」
首を傾げる清二へ自慢げに太智が説明した。
「おうよ! 高性能なカメラで夏の水着ショットを撮って撮って撮りまくる!!」
「その願望はまだ耐えることなく続いていたとは……」
「ところで? お前の方こそ何か買うのか?」
今度は太智が清二に尋ねる。
「俺は、アロハシャツぐらいでいいよ? 海で泳ぐようなお遊戯はしない」
「ほう? どうして?」
「俺みたいなグロテスクな肥満ボディーを見たら、どうせ女子たちは嫌な顔してバカにしてくるからね? なら、まだアロハ着てビッチ共へ愛嬌よく振舞っていればいいよ?」
「お前……ちょっとSが入ってんぞ?」
「どうせ太智も泳がないんだろ?」
「そうだな? 写真撮る以外は釣りするぐれーだろうな? 海水って髪乾くとパサパサするし嫌なんだよな〜?」
「やっぱ、海なんか行ってもつまらないよね……って、狼? さっきから様子が変だぞ?」
清二は、隣で顔色を悪くする俺を見た。
「……うん、ちょっとね?」
「どうした? 体調でも悪いのか?」
と、太智。しかし、違った……
「どうしよう……弥生から、買い物につき合うことになっちゃった!」
「……え? 弥生ちゃんと?」
清二は、それほど驚かなかったが、それ以上に驚いたのは太智だった。
「マジかよ!? いやぁ〜……長生きはするもんだぜ? あの弥生がね?」
「はぁ……どうしよう!」
「彼女はいつも、お前と一緒に居るじゃん? だから、どうってことはないと思うけど?」
太智はそう述べるが、俺は弥生に関してはそれどころじゃない!
「ちょっと! アホ兄ぃ居るー!?」
そんなとき、一組の教室から妹の舞香が押しかけてきた。
俺が振り向くと、そこから大股で俺の元へ不機嫌そうに歩いてきて、こう叫んだ。
「アンタ! 今から荷物持ちやってくれる!?」
「はぁ?」
俺は首を傾げた。
「これから、友達と一緒に臨海学校で準備する物買いに行くの!」
「そう、いってらっしゃい」
「だから! アンタも一緒に行って荷物持ちしろっていうの!?」
仁王立ちしてそう叫ぶ舞香に、俺は溜息をついた。
「何で俺が?」
「アンタ男じゃない?」
「だから?」
「男なら、女の言うこと聞くのが当たり前でしょ!?」
「そんな道理ない」
「あるわよ
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