マブラヴ
1211話
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とって役立つ技術かと言われれば、首を捻らざるを得ないが。
ベースになっている戦術機が、シャドウミラーの機体に比べるとかなり性能が低いのだから。
だが……
「何でそこまでするんだ? 日本……というか、斯衛にしてみればTSF-TYPE00のデータをこっちに寄越す必要はないだろ? それこそ火星のデータ云々だって、あればあったでいいかもしれないけど、この世界の地球が火星に兵士を出す事なんて、少なくてもお前達の代では確実にない。それこそ下手をしたら100年単位で先になる筈だ」
「そうだね、確かにそうかもしれない。私達の代で火星に……というのは。けど、それだけに今回の火星の息吹作戦に参加したとなれば、これ以上ない程に大きな功績となる。そして、その功績は私が征夷大将軍の地位を得る為に必要なんだ」
崇継の口から出た言葉に、納得の表情を浮かべる。
現在の征夷大将軍はかなりの高齢であり、既にその職責を果たすのは難しくなっているという話を聞く。
特に俺がFate世界に行っていたこの1年の間は、急速に体力が衰えてきているとか。
そのおかげで、現在武家や斯衛、城内省では次期征夷大将軍の地位を巡って色々な動きが起きているらしい。
これもその一件が影響している訳か。
「けど、お前はTSF-TYPE00の件やこれまでの実績もあるんだ。わざわざ今回の作戦に同行しなくても大丈夫なんじゃないか?」
俺達シャドウミラーとの関係も含め、功績としてはちょっとその辺の奴等には負けたりはしない筈だ。
だが崇継は、そんな俺の言葉に首を横に振る。
「城内省の上層部には、寧ろそれが理由で私を疎んでいる勢力もあるのさ。その者達の数は決して少なくない。更に、その者達が担ぎ上げようとしているのが……アクセルも確か会った事があったと思うが、煌武院家の悠陽だ」
「……はぁ? 本気か?」
俺の脳裏を過ぎったのは、何年か前にパーティで会った事のある少女。
俺とそれなりに関係のある月詠が護衛をしていた人物だ。
だが、あの悠陽とかいう女はまだ10代半ば程度で、とてもではないが征夷大将軍という地位を勤める事が出来るとは思えない。
そんな俺の疑問を見て取ったのだろう。崇継は苦笑を浮かべて言葉を続ける。
「悠陽の年齢を考えれば、まともに征夷大将軍の役割をこなせるとは思わないだろう? 勿論彼女にはそれを為すだけの片鱗があるというのは理解している。だが、それでも若すぎる。……つまり、彼女を推している者達はその若さをこそ必要としている訳だ」
その言葉で崇継が何を言いたいのかを理解する。
つまりは……
「傀儡、か」
俺の口から出たその単語に、崇継は頷きを返す。
「そういう事だ。勿論悠陽が聡明な頭脳を持っているというのは知
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