十二話:昔話
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ないという理想だけを追い続けて。そして私達の言葉を聞くこともなく姿を消してしまった」
もし、自分達が彼に声を届かせることができたのならば全ての悲劇はなくせたのではないか。
考えども、考えども、出てくるのは後悔ばかり。老人である為か暗い考えばかりが過る。
そんな自分に少し嫌気がさしながら彼はティーカップを机に置く。
「そして私達が再び会った時、彼の目を見て私は確信したよ。彼のそれまでの人生はどれだけ絶望しても孤独故に理想以外に縋りつく物がなかったのだとね」
「誰かに頼ろうとは考えんかったんかな……」
「そうだね。一人で意固地になっても一人では世界は変えられない……それに気づけたら切嗣君も少しは救われたかもしれない」
グレアムの言葉を聞きながらはやては思う。
自分達と一緒に居た時ですら養父は孤独だったのだろうかと。
彼がこの場に居ない今となっては簡単に聞くこともできない。
またしても聞きたいことが増えたとはやては心を奮い立たせる。
「大丈夫です。おとんを捕まえたら、今度こそは孤独にせえへんから。グレアムおじさんも見とってください」
「……そうかね。それは楽しみだ。私も老兵ながら尽力させてもらうよ。これでも管理局にはまだコネがあるからね」
ニッコリと笑って見せたはやてに眩しそうに目を細める。
もう老兵には出番はないと思っていたが若者の手助けぐらいはできるだろう。
そう心に誓い、彼ははやてに笑い返すのだった。
「……やて、はやて! ちょっと聞いてる?」
「ん? おぉっと、ごめんなぁアリサちゃん。ちょっとぼーっとしとった」
思い出にふけっているところに声をかけられて頭を掻くはやて。
そんな様子にアリサの方はまた仕事のことでも考えていたのだろうと思い頬を膨らませる。
隣のすすかがそんな愛らしい様子に微笑みを浮かべているがアリサは気づかない。
「もう、こうなったら運動でもしましょ。何も考えられないぐらい動けばあんたらでも忘れるでしょ」
「いいね、アリサちゃん。私もちょっと動きたかったし」
「なら、決まりね。ほら行くわよ! なのはも嫌がらない」
「う、運動は苦手なのにー」
わいわいがやがやと動き出す友人達の様子にはやては一人笑みを浮かべる。
自分はこの友人達が居る限りは決して孤独にはならないと。
おまけは定番のFateネタを入れてあるんでそういうのが嫌いな人はその部分は流してください。
おまけ〜イノセントに切嗣が居たら〜
「チェ…チェックメイト」
「うぅ……参りました、主」
「アインスはもうちょい先読まんと。なんや、三分でチェックメイトって。カップラーメンやないんやで」
八神堂では現
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