第九話 再び、ヴァリエール家へ
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がら会話に花を咲かせた。
・・・・・・
楽しい時間は早く感じるもの。
あらから喋ると、少し間をおいて、カトレアは神妙は顔つきになった。
「・・・マクシミリアンさま、この度はわたしの為に時間を割いていただいて、ありがとうございます」
改めて、カトレアはマクシミリアンが自分の治療の為にわざわざやってきた事について礼をした。
「気にしなくても良いよ。カトレアの力になりたくて来たんだから。それにね、僕はカトレアが好きだから・・・病気を治して、どこか旅行に行こう」
カトレアの両手を握って、領内からほとんど出た事の無いカトレアに旅行の約束と告白をした。
すると、カトレアはびっくりした顔をすると、たちまち目に涙を浮かべた。
「ありがとうございます・・・わたしなんかの為に、ありがとうございます。実はマクシミリアンさまが、わたしの病気を治しにお越しいただくと聞いて、婚約話が解消される前にせめてもの思い出作りを・・・と、ふとそう思い当たったのです」
溜まった涙はついに零れ落ち、頬を濡らした。
「婚約が解消されてしまったら、もうマクシミリアンさまに会えない。もう・・・手紙が届く事もなくなって。いつの日かみんなに見守られて死ぬ。でも、マクシミリアンさまは、そこにはいない、そういう人生をこれから送るとも思うと、怖くて、怖くて堪らないんです」
マクシミリアンは内心、唸った。
(カトレアは感が良く働くとは聞いてたけど。どうする? 婚約解消の期限、言うべきか・・・)
とはいえ、ぽろぽろと涙を流すカトレアをそのままにしておく訳にはいかない。
涙を流すカトレアを抱き寄せた。
「泣かないでカトレア、すぐに婚約解消になるはずないよ。僕はカトレアの涙は見たくないよ」
カトレアに胸を貸しながら慰める。
二人の周りでは動物たちが心配そうにしていた。
「それにみんなも心配してるよ?」
「・・・はい」
小康状態になったカトレアを背中を優しく叩く。
「それにカトレア、僕だって遊びに来たわけじゃないよ。きっとカトレアの病気を治して見せるから、一緒に頑張ろう」
「はい、わたしも・・・頑張ります」
カトレアは、弱々しくも励ましの言葉に答えた。
カトレアとマクシミリアンはにっこり笑いあった。
・・・結局、期限の事は言い出せなかった。
☆ ☆ ☆
夕食後、マクシミリアンは宛がわれた部屋でカトレアのカルテの読んでいた。
カトレアの治療に対して、まず最初に行った事は、今までのメイジたちの治療法をよく吟味する事だ。
そうする事で、カトレアの治療のヒントを探
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