第九話 再び、ヴァリエール家へ
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気を上げたかったのだが、そこまでの権限も発言力も今のマクシミリアンには無い。
そこで財務担当の貴族を説得してみたが、良い返事をもらう事が出来なかった。
トリステイン貴族は表面上は王家に対して、絶対的な忠誠を誓っているように見えるが、自身の利権が侵されようとすると激しく抵抗してくる。
ここで無理に王家の権威を振りかざして、貴族らの利権を切り取ろうとすれば、内乱が起きてしまうかも知れない。
仕方なく減税の条件として、その貴族所属する派閥の令嬢らと会食をする羽目になってしまった。
公共事業を推し進めても重税のままだったら、この開発事業は中途半端に終わる可能性が高い。
それを心配していたマクシミリアンは、仕方なく会食を承諾した。
(貴族連中は、オレが12歳になれば婚約が解消されるのを知っているんだな)
ため息をつきながらも会食の事について考える。
婚約が解消されるのを見越して、それどれの娘たちを紹介し始めた。
(でも、綺麗どころばかりみたいだし会うくらいなら、いいかな?)
・・・と、のん気に構えながらマクシミリアンはミルクティーを楽しんだ。
☆ ☆ ☆
ラ・ヴァリエール公爵の屋敷に到着すると。ラ・ヴァリエール公爵を始めとする家人一同が盛大に出迎えてくれた。
「ヴァリエール公爵、今回は僕のわがままを聞いてくれて、ありがとうございます」
「殿下とカトレアの仲を思えばこそでございます。どうかカトレアをよろしくお願いします」
と、公爵は一礼した。
「カリーヌ夫人とミス・エレオノールも、ご無沙汰しています。短い間ですがお世話になります」
カリーヌ夫人とエレオノールにも挨拶をする。
「この度は、お越しいただきありがとうございます。家人一同、心より歓迎いたします」
「お久しぶりでございます、マクシミリアン殿下。カトレアの事、よろしくお願いします」
カリーヌ夫人とエレオノールも優雅に返した。
「時にヴァリエール公爵、今までカトレアを治療したメイジたちのカルテ・・・治療法とか記録した物があったら参考のため、見せていただきたいのですが」
「なるほど。分かりました、用意させましょう」
「ありがとうございます。治療は明日以降になると思いますので。短い間ですがお世話になります」
公爵とカリーヌ夫人とエレオノール、マクシミリアンの四人は和気あいあいとしながら廊下を歩く。
「殿下、早速、カトレアに会っていただけないでしょうか?」
と、カリーヌ夫人が言う。
(この人はいつも妙なオーラを放ってるなぁ)
どういう訳か、マクシミリア
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