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水の国の王は転生者
第八話 少女アニエス
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スタニアへと落ちていった。






                      ☆        ☆        ☆ 




アニエスにとってメイジとは敵だ。
彼らは突如として現れ、両親を友人を隣人をそして故郷を焼いた。
故郷ダングルテールの事は、今でも・・・そしてこれからも、そう、一生アニエスの心から決して離れない出来事なのだ。
あの日以来アニエスの内側に灯った黒い火は、自分一人だけ生き残って以来、生きる屍も同然だった幼いアニエスにとって生きる力になった。

(故郷を焼いたメイジを見つけ出して恨みを晴らす)

そう、心に決めた。

(他人の手を借りず、自分の手で・・・)


平民がメイジに対抗する方法を探すために強くならなければならない。
そう思ったアニエスは、自分を養女として引き取って養父になったメイジの男の部屋に忍び込んだ。
切っ掛けは養父がトリステインの王子の家庭教師として王宮に出入りしている事を、養母から聞いたからだ。

「武器か何か有ればいいんだけど」

武器になりそうな物は無かったが、変わりに授業内容の書かれた羊皮紙を盗み見ることが出来た。
そこに書かれていた内容・・・・・・『基礎をしっかりと固める』

(そんな都合のいいものなんて無いか)

この日からアニエスは徹底的に基礎体力から鍛えることにして今に至る。




そして9歳の時、いつもの様に足腰強化のジョギング・・・と、いう名の全力疾走をしていた時に一人の少年と出会った。

(・・・何処の田舎者だろう。でもカッコいいかも)

アニエスはその少年を始めて見たときの印象はあまりよい物ではなかった。
だが、アニエスもやっぱり年頃の女の子、よく見ると少年の整った顔立ちに胸がときめいたし、同年代の友達も欲しかった。
アニエスに友達がいない原因。それは近所の子供たちは狂ったように走るアニエスを怖がって誰も友達になろうと思わなかったからだ。
・・・むしろ近づこうともしなかった。

やがてアニエスは好奇心に負け少年に近づいていった。

アニエスとナポレオン・・・と、名乗ったマクシミリアンの交流は、途中、微妙な雰囲気になったが、すんなりと仲良くなることができた。

(嫌われると思ったけど、よかった)

トリスタニアに移り住んで始めての友達にアニエスは少しの間、復讐を忘れることができた。



ナポレオンと別れた後、アニエスは迷路のような路地裏を全速力で走り抜け、自宅あるブルドンネ街を目指した
途中、何度も通行人と激突しそうになるも、持ち前の運動神経と反射神経で避けながら駆け抜けた。
ちなみにこれも修行の一環だそうだ。通行人にとっては、はた迷惑この上ない。

「あれ?」


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