第七話 王太子の秘薬作り
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「・・・ふぅ」
鼻をポリポリと掻きながら、誰もいないことを確認する。
「・・・何やってんだろオレ」
バル○ンの小瓶を『殺虫剤』の棚に収めようとするとノックの音が聞こえた。
「どうぞ、開いてるよ」
入室を促すとジョルジュが入ってきた、後ろにはセバスチャンが控えている。
「こんにちはマクシミリアン」
「やぁ、ジョルジュこんにちは」
「今日は帝王学の講義はいいの?」
「ああ、大丈夫大丈夫、今日は無いよ」
後ろに控えていたセバスチャンは一礼すると下がってドアを閉めた、室内にはマクシミリアンとジョルジュの二人だけだ。
ちなみにマクシミリアンはジョルジュに、公式の場所以外は自分のことを呼び捨てにすることを願い出ている。
「今日は何の秘薬を作ってたんだい?」
「ああ・・・これ、殺虫剤だ」
棚に収めようとした殺虫剤をジョルジュ見せる。
「うう、また殺虫剤かい?」
「何なら、また殺虫剤を撒きに行くかい?」
思わずジョルジュは顔を青ざめた。
あれは何ヶ月前だったか、二人で王宮を抜け出してブルドンネ街やチクトンネ街に足を運び、手製の殺虫剤をばら撒いて回った時の事を思い出したのだ。
その後、こっぴどく叱られた事は言うまでもない。
全方位で叱られた時の恐怖が蘇ったジョルジュは涙目になりながらマクシミリアンに抗議した。
「ぼぼ、僕はこの間みたいなことは絶対嫌だからね! 絶対イヤだ!!」
「大丈夫大丈夫、今度はちゃんと許可を取るから」
「そういう問題じゃないよ!」
散々わめき散らすジョルジュに辟易したのかマクシミリアンは話題を変えた。
「あー・・・ところで今日は何して遊ぶ? またチェス?」
グスグスと鼻をすすりながらジョルジュは・・・
「チェスで!」
と、八つ当たり気味に叫んだ。
・・・ちなみに殺虫剤の効果はあり、トリスタニアからノミやシラミといった害虫は激減した。
☆ ☆ ☆
さすが武門の家系のグラモン家を言うべきか。
チェスのルールを覚えたばかりのジョルジュはマクシミリアンにいいように弄ばれていたが、ここ最近はメキメキと力を付け勝率を五割近くに戻していた。
「あははは、今日も勝つよー」
一転、上機嫌になったジョルジュ、先ほどの半べそが嘘のようである。
「はいはい、お相手しますよ」
と、少々投げやり気味のマクシミリアン。
(まぁ、接待ゲームみたいなものか)
あきらめてジョルジュの相手をすることにした。
ジョルジュのプレイスタイルは攻撃よりも防御を好んだ。
そのためマ
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