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彼に似た星空
18.謝罪と懇願
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。声がうまく出せない。だがそれでも、私は二人に伝えなければならない。謝罪しなければならない。

「二人ともごめんなさい……ワタシが……ワタシがあなたたちを殺しまシタ……恨んでもいいデス……死ねというなら死にマス……でも、あなたたち二人に謝りたかったデス……比叡……榛名……本当にごめんなさい」

 そこまで言うと、私の目から涙がとめどなく溢れた。最後の『ごめんなさい』は、潰れた喉と涙声のせいで、すでに自分でも聞き取れないような酷い有り様だった。それでも私は謝罪が出来た。もう叶うことはないと思っていた二人への謝罪が叶った。私は地面に膝を付き、手をついて頭を下げた。これで二人が許してくれるとは思えない。私の罪が消えるとも思えない。しかし二人に謝罪をしたかった。許してくれなくてもいいから、二人に私の謝罪を効いて欲しかった。謝罪を態度で示したかった。

 比叡は頭を下げた私の肩を掴み、上半身を起こしてくれた。そして、私の顔を見てくれた。比叡の顔は微笑んでいた。微笑んだまま、目に涙を浮かべ、比叡は首を横に振っていた。

 私は榛名の顔を見た。榛名もまた微笑んでいた。微笑んだまま、目に涙を浮かべて、小さく何度も頷いていた。

――金剛お姉様……私はお姉様がご無事なら、それで満足です。

――お姉様。榛名は大丈夫です。だからもう、自分を責めないで下さい。

 二人の声が聞こえた。実際に聞こえたのではないかもしれない。しかし私は耳ではなく、彼女たちの声を心で聞いた。あの時、比叡が何を言いたかったのか、やっと分かった。比叡はただ、私のことを最期まで案じてくれていたのだった。そして、こんなにも安心出来て力強い、榛名の大丈夫という言葉を聞いたのははじめてだった。

 今わかった。二人は私を恨んでいなかった。すべては私の思い違いだった。比叡は私を案じているだけだった。榛名も私をただ案じてくれているだけだった。私は、彼女たち二人の本当の気持ちを汲み取ることが出来ず、ただのひとりよがりな己への罪の意識に囚われていただけだった。彼女たちがそんなことを望んでないことは分かった。私は許されていた。はじめから許されていたのだ。私は自身の身体から、重い十字架が消えていくのを感じた。

「ありがとうございマス…比叡……ありがとうございマス…榛名……」

 私達は再び顔を見合った。比叡は涙を浮かべながらも、いつもの叫び声を上げんばかりの満面の笑みで私に抱きついた。榛名もいつもの優しい笑顔で私を抱きしめてくれた。彼が死んだあの日、私が榛名を抱きしめたように、今度は榛名が私を抱きしめてくれた。

 しばらくそうして3人で抱き合ったのち、比叡が私から離れた。榛名が私の肩を支え、私を優しく立たせてくれた。

 立ち上がった私の前にいたのは、優しい微笑みをたたえた
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