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至誠一貫
第一部
第二章 〜幽州戦記〜
八 〜人、それぞれの想い〜
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主人様、明日の調練は、星は外しましょう」
「……いや。少し待て、何やら悩みを抱えているのやも知れぬ」
「では、ご主人様にお任せしましょう。私は、張遼ともう少し、計画を詰めて参ります」
「あまり根を詰めるなよ、愛紗?」
「大丈夫です、お気遣いありがとうございます。では」

 愛紗の笑顔には、無理はなさそうだ。
 ……さて、星の様子を、見てくるか。



 星の天幕は……此所か。

「星。入るぞ」

 てっきり酒でも飲んでいるのかと思ったが、本当に横になっているようだ。

「如何したのだ、星?」
「…………」

 答えがない。

「体調が悪いのなら、そう申すが良い。私とて、無理をさせるつもりはない」
「……体調など、悪くありませぬ。ただ、悔しいのです」
「悔しい?」

 星は、私に背を向けたまま続けた。

「そうです。あれほど未熟さばかりが目についた愛紗が、見事に変貌した。それは、主の寵愛が契機になったのは間違いありますまい」
「……そうだ。私も、それを望んだ」
「愛紗が変わったのは、我が軍に取っても大きな事。されど……」

 星は、こちらに顔を向けた。

「ならば、主から愛されるのは……愛紗だけ、なのですか?」
「星?」
「……私とて、女としての魅力には自信があります。なのに、主は私を女として見ていただいていない」
「そのようなつもりはない。星とて、十分過ぎる程魅力的ではないか」
「ならば」

 星は起き上がり、私に抱き付いてきた。

「抱いて下され。……愛紗のように」
「星……」
「尻軽女とお思いか?……これでも殿方に、身体を許そうと思ったのは……は、初めてなのですぞ」

 星の身体が、熱い。
 抱き付かれて表情は見えぬが、恐らくは真っ赤になっているのだろう。

「良いのか? 本当に」
「……あまり、女に恥をかかせるものではありませぬ。それに、優れた殿方が複数の女から言い寄られるのは、この世の常です」
「優れた殿方、か。では私は、そのような男なのだな?」
「……二度は言いませんぞ」
「……わかった。星、お前の気持ちに応えよう」
「主……。嬉しゅうございます」

 いきなり、接吻をされた。
 何とも情熱的な……だが、愛おしい。
 そのまま、星の寝台へと、倒れ込んだ……。



 気がつくと、夜が白み始めていた。

「主。……主の国でも、このような事をなされていたのでしょう?」
「否定はせぬ。本気で好いた女子もおったが……昔の話だ」
「では、今は如何でござるかな?」

 そう言いながら、星は私の胸に、顔を載せてきた。

「しかとは申せぬ。星も、愛紗も……十分に愛おしい故、な」
「ふふ、正直な御方ですな」

 だが、拗ね
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