6部分:第六章
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どんどん飲めよ」
「悪いね。それじゃあ」
彼もそれを受けてさらに飲んでいく。そうして飲みながらだった。
景子の方を見る。彼女は相変わらず正座して静かに飲んでいる。しかし今の彼女はこれまで彼が思っていた彼女ではなかった。そのことを考えながら見るのだった。
(違ってたんだ)
そして心の中で呟いた。
(近藤さんは。悪い人じゃなかったんだ)
実はいけ好かなく悪い人間だと思っていたのである。
(そうだったんだ。そして高校の時のことを悪いってわかったんだ)
そう思うと自然に。彼も心が穏やかになった。それでこうも思うのだった。
(だったらいいか)
そう思いはじめるとあとは自然にだった。忘れてしまおうと決めたのであった。
(もうそれで。それでいいか)
心の中で呟いてそれで終わらせた、するとここで、でだった。
「よし、もっと飲めよ」
「もっと飲めるんだろう?」
「あっ、うん」
周りの言葉にふと我に返ってそのうえでまた酒を受ける。そしてその酒をまた飲む。
「それじゃあ」
応えながらふと景子の方をまた見る。彼の視線に気付いた景子は彼に顔を向けた。そのうえでにこりと笑ってみせてきた。彼も周りに気付かれることなく笑みを返して。それで後は楽しく同窓会を過ごしたのだった。
同窓会 完
2009・9・16
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