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ソードアート・オンライン -旋律の奏者-
アインクラッド編
74層攻略戦
久方振りの死闘を 07
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昇なわけだけど、この分だと今までのそれよりも更に難易度が跳ね上がっていると見るべきだ。

 「また難しいことを考えてるですか?」

 ふと、僕の思考を突き崩す声。
 確認するまでもなくアマリだ。 知らない人の前ではしゃべりたがらないアマリが、僕を見て、僕だけを視界に納めて笑う。

 「フォラスくんがいれば私はそれでいいのです。 フォラスくんと一緒なら私はなんだってできるのです。 だから大丈夫ですよ」

 ぎゅっと僕の腕に抱きついてきたアマリの熱は、それまで重ねた思考の全てを溶かす。
 いっそ、劇毒じみたその熱に寄り添って僕も笑った。









 その後。
 丁寧なお願い(クラインさん曰く『脅迫』)で双剣と爆裂、それからついでに二刀流に関しても口止めをしてから、僕たちはそれぞれ解散した。 軍の一団は転移結晶で1層へと戻り、キリトは愛する彼女を安心させるために帰宅。 アスナさんは今回の報告をするためKoB本部へ。 僕とアマリと風林火山の面々は75層のアクティベートに向かった。

 75層の主街区に向かう道中、こんな一幕があった。

 「なあ、フォラスよ……」
 「ん?」
 「おめえがあの時、軍の連中を助けに飛び込んだ時、なんつーか嬉しかったよ」

  お人好しのカタナ使いはそれだけ言って、野武士面に似合わない優しい笑みを浮かべた。

 「おめえはやっぱいい奴だよ」
 「……よくそんな恥ずかしいセリフが言えるね。 別にあの人たちのためじゃないよ」

 照れ隠しをしても隠しきれていないことは自分でもわかっていた。
 優しい笑みをニヤニヤに変えたクラインさんを追い払って、主街区への道程で出てくるモンスターをクラインさんたちに押し付けながら、僕とアマリはいつまでも手を繋いでいた。
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