アインクラッド編
74層攻略戦
久方振りの死闘を 07
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小さく息を吐くと、クラインさんたちだけではなく、アスナさんや当事者のキリトでさえ興味津々に僕を見ていた。 と言うか、キリトも同系統らしきスキルを持っているでしょうに。
で、どんな時でも僕の味方のアマリは、先ほどの殺戮がよっぽど楽しかったのか、いつもの緩い微笑に愉悦を重ね、何もない宙空に視線を固定している。
「まあ、別にいいけどさ」
今度は長くため息を吐いて、冴えない頭を強制的に切り替える。
これだけ大々的に使ってしまえば隠しようもない。 隠していた持ち札を切ったのは僕の判断なので、何もかもが今更だろう。
「これはエクストラスキルだよ。 名称は『双剣』。 左右それぞれに片手用直剣を装備する武器スキルで、見てもらった通り手数重視だね」
「出現条件は?」
「さあね。 1年くらい前にいきなりスキル欄に現れたから、多分、何かしらの条件に合致して攻略の進捗具合に併せて解放されたんじゃないかな?」
「てことは、お前専用のユニークスキルってことか?」
「だと思う。 キリトもそんな感じでしょ?」
詰め寄るクラインさんの矛先をキリトにズラすと露骨に嫌な顔をされた。
とは言え、さすがに僕にだけ説明させるつもりはないのか、思っていたよりもすんなり頷いた。
「ああ。 俺のは『二刀流』。 お前の双剣に比べると手数には劣るけど、それでも普通の武器スキルに比べれば手数が多いな。 やっぱり同じく出現条件は不明で、1年くらい前に追加されてた」
「火力重視で手数もそこそこなのが二刀流で、徹底的に手数を追求したのが双剣、って言う認識で良さそうだね」
「しっかし、兄弟揃って同系統のユニークスキルを習得するなんて、おめえら、相変わらず仲良いな、おい」
「ま、たった1人の肉親だからね。 で、アマリのスキルなんだけど……」
未だに興奮でトリップしている相棒に視線を送ってから嘆息。
説明役は僕に丸投げのつもりらしい。 そうでなくても軍の一団がいる以上、こちらの会話に混ざるつもりがないのだろう。
「あれは『爆裂』。 これも出現条件不明……って言いたいところだけど、なんとなくの心当たりはあるんだよね」
「あんのか? 詳しく教えやがれ」
「ほら、クラインさんは覚えてるかな? 『背教者ニコラス』」
「お、おう……。 そりゃ、覚えてるっつーか……」
「まあ、あの時のあれこれは置いといて、爆裂はニコラスが使ってたスキルなんだ。 あの戦いでラストアタックを取ったアマリが習得したから、多分、そう言う設定だったんだろうね」
「ニコラスを倒した報酬ってわけか? ……ったく、水臭えぞ、おめえら。 こんなすげースキルのことを黙ってるなんてよ」
背教者ニコラスの名であの時のこ
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