本編
第七話
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、キュルケ五十個溜まったみたいね。 はいこれ」
ルイズの同級生である紅髪の少女にスタンプを押し、板切れについていたスタンプの数を数えたルイズはその数が丁度五十あるのを確認して、スタンプを押す机として使っていた木箱の中から一枚の紙と新しい板切れを取り出した。
「ありがと、それで今回は何なの?」
「ふっふっふっ、聞いて驚きなさい、今回は調理長であるマルトーさんが半年間の試行錯誤の末に生み出した特製デザートのお試し引換券よ。 あ、試食も兼ねてるからちゃんと感想もよろしくね」
「あら、今回はやけに豪華ね? いつもならサイトの彫ったちっちゃな置物だったりするのに」
「まあね、マルトーさんがいつも参加させてもらっているお礼にってくれたのよ」
ルイズ達の会話を聞いていた者達は、皆自分の持つ板切れを見つめ、そこに押してあるスタンプの数を数えてそれぞれ一喜一憂していた。つまりスタンプの数が足りている者はおいしいデザートにありつけるがそうでないものはおあずけということだった。
ルイズ達は皆が自主的に参加してくれるのが嬉しく、出来るなら毎朝来て欲しいと思い、参加者に毎回スタンプを押してあげることで、溜ったら賞品が貰える仕組みにしていた。ただ取り合いや、賞品目当ての参加を防ぐために、普段はあくまでもちょっとした物で誰でも入手しようと思えば出来るような、本当に気持ち程度の物であった。
「皆安心して、数は結構あるからこれから数日はチャンスはあるわよ」
「おう、そういうこった皆是非食べに来てくれよな!」
ルイズの言葉に列に並んでいた者達の顔に笑顔が浮かぶ。そして同じく列に並んでいた賞品を提供した張本人が胸を張って大きな声で宣伝していた。
「それで、古いほうのスタンプ台はどうするの? いらないならこっちで引き取って薪にでも流用するんだけど」
「ん〜……折角だから貰っておくわ、これも何かの記念でしょうし」
「そ、なら次がつかえてるから悪いけど早いとこ離れて頂戴」
「はいはい、じゃあまた食堂で」
キュルケが去ったあとも残った人達にスタンプを押し続け、そして皆の分を押し終わった最後に、自分達の板切れにスタンプを押す。スタンプが溜まり、不要だと言われた板切れは薪に流用出来るように最後まで残っていたメイドに渡す。
「じゃあシエスタお願いね」
「分かりました、ルイズ様達も朝食に遅れないようにしてくださいね」
「いつも言ってるけど、いちいち様付けなんてしなくてもいいって。 別に貴族の屋敷や王宮じゃあるまいし」
「そうだぞシエスタ、ちゃんとした場所だとなんか貴族っぽくみえるけど、中身はそんな大層なもんじゃないからなルイズは」
「いえ、私達みたいな平民にも優しくしてくださるルイズ様を、そん
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