Vivid編
外伝〜if/ライのたどり着いた世界がCEであったなら(後編)〜
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はない。
Cの世界に置いてライは幾つもの歴史、幾つもの自分を知った。そして今ここにいる自分と違い、命を落とした自分もよく知っている。そこにどんな違いがあるのか。
経験か?
記憶か?
出会いか?
運か?
巡り合わせか?
そんなモノは全て言葉遊びだ。なるべくしてなったとしか言い様がない。であれば、ライが言葉に詰まるのは無理もない。
事は遺伝子や才能という言葉だけでは説明ができないのだから。
「無理に言葉にする必用もない。私も理解してしまったのだから」
思考の海に浸かっていた為、議長の声にハッとする。
「人は今を超えるために生きている。人の敷いたレールを軽々と乗り越えていくほどの力強い意志によって。それを管理することは人にはできない。そう考えて――――納得してしまった」
そう言うと、議長はソファーから腰を上げ、その部屋に備え付けの冷蔵庫を開ける。
「そして今の自分が何をすべきなのかを考えた。自分でも呆れてしまうのだがね。今更になって変えることよりも維持することの方が難しく重要であることに今更ながら気づいたのだよ」
議長は冷蔵庫に入っていたミネラルウォーターを取り出すと、グラスに注ぎ喉を潤すために中身を煽った。
「……では、議長はこれからどうなさるおつもりですか?」
自身の目指したモノを自身で否定し、これから彼がどう進んでいこうとしているのか。それがライには気になった。
何故なら、今の議長は自棄になって暴走したような雰囲気は見られず、寧ろ理知的な瞳は以前よりも冷静に物事を判断しているように見えるのだから。
「私には血は繋がっていないが、家族と言えるような子がいてね」
議長の視線がライではなく、レイの方に向く。その視線を敏感に感じ取ったレイは気恥ずかしかったのか頬に朱が挿した。
「その子はある事情で生まれつきテロメアが短くてね。その治療法を見つけてやりたいと思っている」
その言葉はこれまでライが聞いてきたギルバート・デュランダルの言葉の中で最も決意と力強さに満ちていた。
――――――――――
『自由と正義と』
オーブ
ロゴスを打倒するために本格的に世界は動き出していた。
そんな中で、ミネルバはロゴスの実質的トップであるジブリールが潜伏するオーブに来ていた。
ザフトはオーブに彼の身柄を引き渡すように要求するが、オーブはそれに対しジブリールは我が国にはいないと回答する。
既に調べは付き、ロゴス打倒の為に同盟した各国もその裏付けとも言える証拠を抑えている。そんな中でのこの公式発表に、敵味方問わず軍関係者は怒りを通り越してあきれ果ててしまった。
もちろん、そんな公式発表を鵜呑みにし軍を引くことはできな
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