Vivid編
外伝〜if/ライのたどり着いた世界がCEであったなら(後編)〜
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前に置いた。
「?…………」
事情を飲み込みきれないライは視線で問いかけるが、議長は手をかざし内容を読むように勧めてくるだけだ。
横目でレイを見てみると、レイはどこか驚いた様子を見せている。その様子から議長が自分にコレを見せること自体に驚いており、紙束の内容については把握しているようであった。
「……失礼します」
取り敢えず読まないことには先に進まないため、ライは紙束を捲り内容を目で追っていく。しばらく紙が捲れる音が部屋の中に響き続ける。
どの位時間が経ったのか。
少なくとも普通に読めば、もっと時間が掛かるだろうその紙束をライは読み終える。そしてそれを渡された時と同じように机に戻すと、ライはそこで口を開いた。
「……これを……デスティニープランの内容を見せて自分をどうする気ですか?」
「単純に訪ねたいのだよ。ナチュラルでありながら、優秀と言わざるをえない成果を出す君に」
それは自分のレポートの評価を聞こうとする生徒のような目であった。
そんな議長の視線を受けつつ下手なことは言えないと思うライ。だが、自身の考え。この場合は自身のこのプランについての考えをキチンと言わなければライは自分が自分である意味がなくなると考える。
少しの間の葛藤と逡巡の末、ライはその口を開いた。
「……議長。失礼を承知でいいます」
「構わないさ。忌憚のない意見を求めたのはこちらだからね」
「このプランは施行したところで早い段階で破綻します」
ライがハッキリと言い放つと、部屋の音が一瞬無くなったと錯覚するほどに静かになった。
レイがまた驚いたような表情を見せているが、今向かい合うべきはギルバート・デュランダルである為真っ直ぐに彼の瞳を見据える。
しかしそこにあったのは、失望や驚愕、諦めでもましてや敵意でもない。純粋な羨望であった。
「何故、そう思うのかを説明してもらえるかな?」
試すような彼の言葉に、ライは左遷されるかなと思いつつも言葉を重ねた。
「まず、大前提として人は機械ではありません。遺伝子や才能で全てを決めていくという社会に一番適していないのが、生物であり人です」
“デスティニープラン”
それを簡単に説明するとライが言ったとおり、『全ての人々のDNA情報を完全に解析し、その適性に合った職業に従事させることで、誰もが幸福に生きられる世界を作る』というものである。
それは皇暦の世界でシュナイゼルが、最後に行おうとした人を記号としてしまう支配体制と似たようなものであった。
「そして、これを行うのであれば、それこそ地球圏規模の広範囲で行わなければなりません。しかし、議長。貴方はあくまでプラントのトップであり人類のトップではありません。下手にそれを
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