Vivid編
外伝〜if/ライのたどり着いた世界がCEであったなら(後編)〜
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『アスラン脱走』
ジブラルタル基地・VIPルーム
必要最低限な装飾品が部屋の上品さを演出している部屋。その部屋の机を挟むようにして配置された二つのソファー。そこに腰掛ける三人の姿があった。
その三人は対面するようにそれぞれ一人と二人に分かれて座っている。ソファーに一人で座っているのはプラントのトップであるギルバート・デュランダル。そして二人で並ぶようにして座っているのはレイ・ザ・バレルとライ・アスカの二名だ。
なぜこの二人が――――正確にはこの場にライがいるのかといえば、レイに呼ばれたからだ。
『内密な話をしたいのですが、よろしいですか?』
どこか懇願するようなレイの言葉に、特に予定もないライは了承したのだ。
その時点で、ライは二人だけで話すのかと思っていた為、そのまま基地のVIPルームに連れてこられ、しかもその中には国のトップであるデュランダル議長がいることに、彼にしては珍しく驚いて間抜けな表情を見せていた。
「まずは、話し合いに応じてくれたことに感謝するよ」
「え?……はい」
議長の言葉に一瞬困惑の表情を浮かべるが、レイの言葉を二人だけで行うと勘違いしたのはライであった為、特に深く考える前に返事を返す。
「ここ最近のミネルバの活躍――――特に君や君の弟であるシン・アスカ君の報告はよく耳にするよ」
「恐縮です…………あの」
「?」
「以前、弟の捕虜の件についてはありがとうございました」
ライは座ったままで失礼とは思いつつ、頭を下げる。
ライが口にしたのは、以前シンがミネルバ艦内に収容していた敵の強化兵である少女、ステラ・ルーシェを治療のために無断で連合側に返還したことについてであった。
その件でシンや今隣に座るレイは実行犯とその手助けを行った人間として一時期収監されていた。だが、普通であれば銃殺されても文句を言えない程の罪は、目の前に座る議長の采配で無罪となったのだ。
その事についてライは今、彼にシンの身内としてお礼を言い頭まで下げていた。
そんなライの行動に、議長だけでなくレイもどこか優しい目でライを見ていた。
「頭をあげたまえ。あれは相応の働きをしてくれた故の措置だ。レイの話ではあの後、艦内の空気が少し悪かったとも聞く。そのあたりは自分も気が回らなかった。あまり感謝されるのも居心地が悪い」
「…………はい」
議長の言葉にライは取り敢えず、頭を上げソファーに座る体勢を整える。
そして飲まれ気味であった雰囲気をリセットしつつ、ライは改めて目の前の人物と向き合った。
「今日呼び出したのは他でもない。君にこれを見てもらいたくて呼び出した」
そう言って議長はそれなりに厚みのある紙束を机の上――――ライの
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