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彼に似た星空
17.私の罪
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覚えていない。霧島の話によると、球磨をはじめとする捜索隊があの海域に出撃したところ、比叡のカチューシャと榛名のダズル迷彩砲の残骸を持った私が、呆然と立ち尽くしていたという話だ。

 私の記憶は、その後鎮守府に戻ったところからだった。戻った私を、霧島は厳しくなじった。霧島は私が持つ比叡のカチューシャと榛名のダズル迷彩砲の残骸を見た途端激しく取り乱し、私に平手打ちをした。

「なぜあの時出撃したのですか!!」
「霧島……スミマセン……」
「お姉様がしっかりしていれば…比叡お姉様が沈むこともなかったし、榛名も無茶をすることはなかったのではないのですか!!」
「こめんなさい霧島……ごめんなさい比叡……榛名……ッ!!」
「比叡お姉様と榛名は……金剛お姉様が沈めたんです!!!」
「ごめんなさい比叡……ごめんなさい榛名……ごめんなさい……!!!」
「もうこれ以上はやめるクマッ!!」

 球磨が私から霧島を引き剥がした。霧島はそれでも収まらず、球磨にも食ってかかっていたが、しばらく私と球磨をなじったあと、泣き崩れ、痛々しい叫び声を上げていた。

 私はもう、気力がなくなっていた。連戦からの疲れではない。私の一連の行動が、愛する二人の妹を沈めてしまったという自責の念が、私の身体から何もかもを奪ってしまった。立つ力すらもうなかった。私を愛してくれた彼はもういない。私は、彼を救うことが出来なかった。そして、私が愛した比叡と榛名ももういない。私が殺した。その重すぎる十字架が私の両肩に重くのしかかり、立つことも出来なくなった。

 私が愛した大切なものは今日、すべて壊れた。そして私が愛し、私を愛してくれた大切な人は殺され、私が愛した姉妹たちは今日、私が殺した。

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