マブラヴ
1209話
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ない身としては、後であやかにでも聞いてみようと思う。
そんな事を考えている間に、先程のウェイトレスが大きめの皿にケーキをのせ、取り分け用の小さな皿と一緒に持ってくる。
「お待たせしました」
そうして俺の前には紅茶とケーキの皿が並べられる。
一礼し、去って行くウェイトレス。
それを見送り、早速ショートケーキを皿に取り移し、一口食べてから口を開く。
「それで、結局ここにいたのはコーヒーの自慢を俺にする為か? まぁ、それはそれで聞いていて驚いたけど」
「別にそんなつもりじゃないさ。勿論きちんとした用件はあるよ。……修羅から聞いたんだけど、マブラヴ世界の火星を攻めるんだってね。しかも麻帆良にも応援を要請しているとか」
「ああ」
「じゃあ、その援軍に僕も入れてくれないかな」
「……は?」
何を言ってるんだ、こいつは。真顔で冗談を言っても面白くないぞ。
それが、フェイトの口から出た言葉を聞いた俺が最初に思った事だった。
確かにフェイトはシャドウミラーの一員という事になってはいる。
だが、基本的にはネギま世界の火星をテラフォーミングする作業に集中しており、たまに息抜きとしてこんな風にコーヒー関係で動く事はあっても、所詮はそれだけだ。
シャドウミラーとして何か動く時には手を出してくる事は、今までなかった。
シャドウミラーの一員ではあっても、その立場はあくまでも外部スタッフに近い存在と言える。
そういう意味では、エヴァよりも更にシャドウミラーとしての自覚は薄いだろう。
そんなフェイトが、何故急に俺達に力を貸すと言ってくるんだ?
「何が狙いだ?」
「そんなにおかしいかい? 僕だってシャドウミラーの一員だ。である以上、君に助力する事はおかしな話じゃないと思うけど」
「確かにその話だけを聞けばそうかもしれないけどな。だが、何故今までは手を貸してこなかったのが、急にそんなつもりになった?」
フェイトの感情を感じさせにくい目を、じっくりと見つめる。
だが、やがて向こうが根負けしたのだろう。あるいは、最初から話す気だったのかもしれないが、持っていたコーヒーのカップをテーブルの上に置いて口を開く。
「まぁ、そうだね。確かにそれだけが全てって訳じゃない。……ただ、場所が場所だからね。どうしても気になってというのが正しいところさ」
一旦そこで言葉を止め、周囲を見回し、そこにいる人々を眺めるフェイト。
その視線を追うと、そこでは多くの人物が交流区画にある店で買い物を楽しんでいる姿を見る事が出来る。
そこには普通の人以外にもシャドウミラーに所属しているエルフ、マクロス世界の住人であるゼントラーディらしい肌の色をした人といった者達の姿もあり、見て分かる程に賑やかな買い物風景だ。
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