2部分:第二章
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第二章
「それでもね。あんたね」
「俺が?」
「あんた反省しなさいよ。でかい図体してるから悪いのよ」
「ちょっと待ってくれよ」
あまりにも彼女が言うのでいい加減彼も頭にきたのであった。それで言い返したのである。温厚でおとなしい彼も遂にであった。
「俺確かに机ひっくり返したけれど」
「だからあんたが悪いのよ」
「悪いけれど何で近藤さんにそこまで言われないといけないんだよ」
それが不満なのだった。何しろ彼女は友人のトラブルに入って来た形である。しかしそれでも彼女の剣幕はここでも変わらないのだった。
「俺近藤さんとは」
「それはそうだけれどね」
「ああ、もういいじゃないか」
「それ位にしたら?」
いい加減見かねてきた周りが二人の間に入って来たのであった。
「本当にそれ位で」
「周子君も景ちゃんもよ」
こう言って二人を引き離す。しかしこれで話は終わった。だが完全に終わったわけではなく二人はそれから何かあると常に気まずい雰囲気を漂わせた。それは三年間続き温厚な彼も彼女に対してだけはあまりいい顔を見せなかった。そうした関係だったのである。
その彼女と同窓会で会う。彼はそのことにかなり不安であった。そうしてこれからどうするか真剣に悩んでいた。どうするかを考えていた。
「一体どうしたものかな」
同窓会のことを自分の部屋の中で真剣に考えていた。今彼は一人暮らしである。だからじっくりと考えることができたのである。
「近藤さんかあ。本当に喧嘩しなかったらいいけれど」
このことばかり考えていた。それであれこれ悩んでいた。だが考えても悩んでもどうすることができない状況でありそうして遂に。その日になったのであった。
「時間が経つのは早いな」
彼は部屋にかけてあるカレンダーを見て呟くのだった。カレンダーは無愛想な日付だけが書いてあるカレンダーだ。仕事場で貰ったものをそのまま使っているのである。
「もうこの日か」
このことを呟かずにはいられなかった。
「本当にどうしようかな」
また呟いた。
「行かないといけないけれど。行ったらいるし」
会いたくはなかったが会わなくてはいけない。それで行くのだった。それで行くとだった。とりあえず待ち合わせ場所は最寄の駅前であった。夜でありそこに集まった顔触れは懐かしさと共にそれなりの変貌も見せていた。
「おい、随分太ったなあ」
「御前は痩せたなあ」
こうした会話が聞こえる。前に停まっている数台のタクシーを見ながらの話だった。
「何かあまり変わってないのもいるけれどな」
「周子、御前は変わってないな」
「そうだな」
一圭を見て何人かが言うのだった。
「何年か経ったけれどな」
「全然変わってないな」
「そうか?結構大人びてきたと思ってるんだけれどな
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