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第一章
同窓会
「じゃあ出るんだな」
「ああ」
電話の向こうの相手にまずはこう返した。
「出るよ。久し振りだしな」
「そうだよな。何年振りだった?」
「三年か?」
その相手に今度はこう返したのだった。
「確かな」
「それで三年振りの同窓会な」
電話の向こうの相手はここで言うのだった。
「近藤も来るってさ」
「えっ、近藤もかよ」
彼はそれを聞いてすぐに声を強張らせたのだった。
「近藤もかよ」
「御前あいつと仲が悪かったからな」
「ああ」
急に不機嫌になったのであった。その名前を聞いただけで。
「大丈夫なんだろうな」
「どうだろうな」
自分でもそれに対する自信はないようであった。
「実際のところわからないな」
「それはわからなくてもわかっていて欲しいことはあるぞ」
「喧嘩するなか」
「ああ、それはするなよ」
こう彼に言ってきたのだった。
「それはいいよな」
「わかってるつもりさ」
彼は電話の向こうの相手にこう返した。
「一応はな」
「絶対にわかってくれよ。何しろ同窓会だぞ」
「ああ、じゃあ何とか努力するな」
「してくれ。いいな」
「わかったよ」
彼は電話の向こうにいる旧友に対して言葉を返した。これで話を終えた。
しかしそれでも苦い顔のままだった。この彼周子一圭は高校時代三年間同じクラスだった。近藤景子と仲が悪かったのだ三年間同じクラスだったがすっとである。
一圭は背が高く筋肉質でがっしりとした身体をしている。顔は面長で細めである。頬もこけ気味である。そして目は奥二重で優しい光を放っている。眉はそれぞれ斜め上に向いているがきついものではない。黒い髪を少し立たせてそれがさらに背を高く見せている。
レスリング部にいてインターハイにも出たことがある。今は大学も出てサラリーマンをしている。総務部で何かと雑用に重宝がられている。
性格は温和で優しいということで有名だ。しかしその景子とはずっとぎくしゃくしていたのである。
そのはじまりは彼が高校に入って間も無くクラスの女の子の一人の机を誤ってひっくり返してしまった。ところがここでその彼女よりも景子の方が怒ってきたのだ。
景子は背はそれ程でもないが強そうな目をしていてはっきりとした顔立ちの美人である。神は黒く長いストレートにしている。唇がやや厚いが肌が白くとても目立つ顔をしている。眉は薄めで形がいい。すらりとしたスタイルをしていて脚も奇麗なものである。
容姿はいいが性格はきつかった。それでその時も一圭に対して言ったのである。
「謝りなさいよ」
「御免」
「何よその謝り方」
その彼の謝り方に対して言ったのである。
「そんなんじゃね。謝ったうちに入ら
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