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彼に似た星空
13.花火
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なったみたいだ。二人はしばらく話をしたあと、鈴谷が誇らしげに胸を張って帰ってきた。

「ふっふーん……」
「おかえり鈴谷〜」
「誇らしげに帰ってきてどうしたんデース?」
「鈴谷ね〜。おばあちゃんからちょっといい情報仕入れてきたよ!!」

 ふんす! とでも言いたげなドヤ顔の鈴谷。聞けば、鈴谷はおばあちゃんとっておきの花火絶景ポイントを教えてもらったそうな。

「私たちにそのポイント譲るって! 金剛さん、花火はそこで見よう!!」
「こんぐらっちゅれーしょん! じゃあおばあちゃんたちにお礼を言いに行かなけれバ……!」
「あーもう鈴谷がお礼言っといたよ。おばあちゃん別のポイントに行っちゃった」
「あら…残念でしたねお姉様」
「まーまー気にしなくていいんじゃん? ほら金剛さん! 霧島さんも、早く行こう!!」

 鈴谷は待ちきれない子供のように、私と霧島の手を取って、おばあちゃんのポイントまで私達を引っ張っていった。私達は元戦艦のはずなのに、彼女のパワーに抗うことが出来なかった。

 鈴谷の案内により、通称『おばあちゃんポイント』に到着した。ちょうど人だかりから離れていて、なおかつ周囲に比べると少し小高くなっている場所だ。地面は芝生になっていた。今は夜だから見えないが、これが昼なら、ここが高原な事もあって、眼下には素晴らしい光景が広がっていたことだろう。

「ぐれーいと! いい場所ネー!!」
「ホントだね〜。さすがおばあちゃん……!」
「お二人共。そろそろ始まりますよ」

 突如、砲撃にも似た轟音が鳴り響いた。この場所はどうやら花火の打ち上げポイントからだいぶ近い位置らしい。空気がビリビリと震えたのが分かった。その後一筋の光が空を昇っていき、それがはじけて、たくさんの光が私達の頭上に降ってきた。

 私は、何度か打ち上げ花火を見たことはあった。あったのだが、私が今まで見てきたものは、すべて私達がいる場所から遠く離れたところで花開くものばかりだった。

 ところが今日の花火は違った。今日の花火は本当の意味で、私達の頭上ではじけた。

「美しいですねお姉様……」
「so beautiful……」
「ほんと、キレイ……」

 続けざまに何発も花火が打ち上げられ、私たちの頭上ではじけた。先ほどから花火を見るために自身の真上を見上げ続けていた私は、フとひらめいた。

「……イイこと思いつきまシタ!!」

 私はそのまま芝生の上に寝転んだ。私たちの頭の上で花火は輝いていた。だからその花火を見るために、自身の真上を見上げ続けなければならず、その姿勢を維持するのは正直疲れる。首も痛い。だから私はいっそのこと、芝生の上に寝そべり、そのまま光り輝く夜空を見ることにしたのだ。やはり想像通り楽で、リラックスして見られて
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