第06話 一ヶ月の航海、一ヶ月の留守
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」
妖精さんは虚空から地図をテーブルの上に出現させる。かなり詳しく書かれた神威鎮守府の建物内部に関する地図だそうで、内部の造りだけでなく中に置かれた家具の位置や道具の置き場所、部屋の損傷具合(と言っても全部屋が綺麗に保たれているらしい)等などだ。
神威鎮守府は案外と広くて俺はまだ全て把握しきれていなかったので凄く有りがたかった。後で地図を確認して神威鎮守府内部については記憶しておこうと心に留める。
「2つめが、神威鎮守府以外の他の鎮守府について情報を探ることです。神威鎮守府にある資料を調べてみたり、電波の届く範囲で全域に通信を試みたりしました。ただ、残念ながらコチラも成果はありませんでした」
神威鎮守府のような、他に同じような仲間を見つけ出すことは出来なかったようだ。残念ではあるけれど、これだけ繋がりを見つけられないとなると俺たち以外の存在という望みは薄いだろう。
「最後の一つは、開発についてです。現在、我が鎮守府には開発資材が不足しています。そこで、艦娘を開発資材を使わないで新たに建造できないか調べてみました。が、残念ながら不可能のようでした」
申し訳無さそうに報告する妖精さん。ただ、開発資材無しで艦娘を新たに建造するなんて無茶な事だろうと分かっているから、コレについては仕方がないだろうと諦めがつく。しかし、妖精さんは次のように言葉を続けた。
「ですが、武器の開発には開発資材を使用せずに造り出すことに成功しました! コレが開発に成功した物です」
そして妖精さんは神威鎮守府の地図を取り出した時と同じように、虚空からテーブルの上に砲弾を出現させた。
「おぉ、徹甲弾ではないか!」
話を聞いていた長門がテーブルの上に出現したソレを見て大喜びする。確かに、テーブルの上にある物は九一式徹甲弾のようだ。アレを艦娘が持って装備することで戦闘能力が上がるらしい。そして、今回開発が出来た徹甲弾は、戦艦に持たせる事のできる装備で、我が鎮守府に居る長門の大幅な戦力強化が期待できる。
「他にも10cm連装高角砲と15.2cm連装砲を1つずつ開発ができました。ただ、注意して頂きたいのは、武器は開発資材を使用しないで作り上げることが出来るのですが、開発資材を使った開発に比べて非常に時間がかかる事と、通常に比べて資材を少しだけ多く使用しないといけないという事です」
そう言って、高角砲と連装砲を取り出しながら妖精さんは武器開発に使用した資材を報告してくれた。確かに、記憶にある開発レシピに比べて10%程は資源を多く使用しているような気がする。ただ、開発資材を使用しないで装備武器を作れることはかなり重要だろう。
「一つ心配なのは武器を作りすぎて資源が無駄に消費される、という危険がある事ですね」
妙高が武器開発についての
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