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ソードアート・オンライン -旋律の奏者-
アインクラッド編
74層攻略戦
久方振りの死闘を 06
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ンスターが蠢いている。 更に先には転移門があるけど、使用可能かどうかはここからだとわからない。


 「さて、どうしよっかな」
 「あはー、全部ぶっ殺せばいいだけですよー」

 声。
 軍の一団に気を使うでもなく響いた声は、僕とアスナさんを絶句させる。
 振り返れば、狂気を内包した笑顔を浮かべるアマリがいて、既にディオ・モルティーギを肩に担いでウズウズとしていた。 放っておけばあそこに突撃して暴れ狂うことだろう。

 「フォラスくん、()()をやるですよ」
 「ふふ、そうだね。 やろっか」
 「ちょ、ちょっと待ってください! まさか、あそこに行くつもりですか??」
 「うん。 皆殺しにしてくるよ」
 「危険すぎます! あれだけの数を相手にするのに策もなしなんて! こちらはたったの22人ですよ!」
 「22人? それは違うよアスナさん。 僕とアマリの2人でだよ」
 「なっ」

 穏やかな笑みと共に僕が吐き出した言葉は、突然の口論を始めた僕とアスナさんを遠巻きに見ていたキリトや軍の一団すらも絶句させた。

 「それに策もあるしね。 僕のこれは対多数戦闘にも対応できるし、そもそも僕のプレイスタイルは知ってるでしょ?」

 左右それぞれに握った片手剣に視線を落としたアスナさんは、すぐに視線を上げた。
 おそらく今、アスナさんの頭の中では色々な思考が駆け巡っていることだろう。

 現状を打破するためには、どうあれ戦闘は必須だ。 アスナさんは22人と言ったけど、消耗具合(HPではなく精神的な)を考慮すれば軍の一団は使えないし、そうでなくてもレベル的に見ても頼りにはできない。
 となれば10人だけであそこを突破、あるいは敵を全滅させる必要がある。 けれど、今も呑気におしゃべりをしているここが、いつまでも安全とは限らないのだ。
 何しろ、今回のボス戦は不測の事態が多すぎた。
 今までの流れを無視した、フロアボスの圧倒的強化。 ボス戦後の強制転移。 終わりの見えない悪夢は、ここの安全性を保証してはくれない。

 軍の一団を見捨てると言う選択肢もあることにはあるけど、それを選ぶことはしないだろう。 アスナさんも、キリトも、クラインさんたちも、そんな結論を出すはずがない。 無論、僕とアマリも。

 これ以上起こるかもしれない不測の事態に対応するためには、いくらかのプレイヤーを置いておく必要がある。
 まずは広い視野を持つアスナさんと、索敵スキルを習得しているキリトは鉄板だ。 護衛が2人だけと言うのは些か不安なので、風林火山の面々にも残ってもらう。
 これが現状で取れる最善の策だろう。

 けれど、僕には、否……()()()には、そんな策とは無関係な理由があった。

 「もう考
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